南山大学

 
指定
期間
春学期
単位
年次
3・4
担当者
亀井 孝文
他の科目との関連 財務会計論、経営分析論
他学科履修
副題
授業概要  近年、行政活動の経済性、効率性、効果性等をめぐる行政評価論がさかんに展開されている。公会計は、本来、行政の財政運営に関する説明手段として機能するとともに、行政管理や行政評価に必要なデータを提供する役割ももつ。しかし、現行の公会計制度では価値計算は行われず単に金銭計算が行われるのみである。こうした現行制度を改革し新しい公会計制度を構築しようとする議論がいま国際的に行われつつあり、いくつかの先進諸国においては議論の段階を経てすでに実行に移されている。本講義では、公会計制度の改革が求められる背景を考察しながら、現行制度の問題点と新しい改革論の内容を見ていく。
学修目標 (1)企業会計の他に公会計の領域があることを認識する、(2)国・地方自治体の財政の現状を理解する、(3)公会計制度の現状と改革の必要性を理解する、(4)公会計と企業会計との相違を考える、(5)新しい公会計制度の提案内容を概観し、その妥当性を考えること
授業計画 《公会計の背景を知る》
1.公会計をめぐる環境と諸問題
《公会計のしくみを知る》
 2.公会計の概念
 3.公会計制度の生成と発展
 4.公会計制度の概要
 5.予算制度
 6.決算制度
《新しい公会計を考える》
 7.公会計改革の議論と動向
 8.国際公会計基準
 9.新しい公会計の理論
 10.公会計と簿記システム
 11.公会計改革の提言と実践
《検査・監査制度と財政分析》
 12.会計検査制度
 13.地方自治体の監査制度
 14.財政分析
《定期試験》
評価方法 論述試験による。ただし、下記指定テキスト、配布資料および自ら作成したノートは参照可とする。
テキスト 亀井孝文著『公会計制度の改革』、中央経済社 2008年
その他 資料をそのつど配布する。また、次の文献も参考にすること。
クラウス・リューダー著/亀井孝文訳『地方自治体会計の基礎概念』、中央経済社 2000年
亀井孝文著『公会計改革論—ドイツ公会計研究と資金理論的公会計の構築—』、白桃書房 2004年
亀井孝文著『明治国づくりのなかの公会計』、白桃書房 2006年