南山大学

 
指定
期間
通年
単位
年次
2
担当者
唐津 博
他の科目との関連
他学科履修 不可
副題
授業概要  雇用・労働関係法(労働法)の基本的論点に関する判例・学説の現状・動向を検討し、その解釈論的、立法論的考察を深める。
学修目標  ゼミ報告を通じて、労働法の基本的知識の習得と、リサーチ能力、コミュニケーション能力、プレゼンテーション能力の向上を図る。
授業計画  開講時に年間計画および取上げるテーマ、レポーターを決定する。以後、毎回テキスト(判例批評)を用いて、レポーターの報告をもとに自由に討論する。レポーターは、テーマ(論点)に応じた討論の柱をたててレジュメを作成し、ゼミ生全員が自由に意見を発表できるような工夫をしながら、報告を行う。ゼミ報告の進行に工夫を要求するのは、基礎的なプレゼンテーション能力の習得・向上を意図しているからである。
 ゼミ生は、年間計画にもとづいて、テキストや参考資料等により予習をしたうえで、毎回の授業に臨むこととする。教員とゼミ生、ゼミ生相互の間の自由な意見交換(双方向的、多面的な授業形態)によって、雇用・労働関係の法ルールを正確に理解し、その課題を探ることにしたい。
 なお、取り上げる判例のテーマは、以下の通りである。
 (1) 採用の自由、試用期間の法的性格
 (2) 労基法上の労働者
 (3) 採用内定の法的性格
 (4) 試用を目的とする有期労働契約の期間の性質
 (5) 就業規則の規範的効力
 (6) 就業規則の不利益変更の効力
 (7) 退職金の法的性格と競業避止義務
 (8) 労働時間の概念
 (9) 時間外労働命令権の根拠と限界
 (10) 産前産後休業等と賞与の支給要件
 ⑪ 出向命令権の法的根拠と労働者の同意
 ⑫ 配転命令権の根拠と限界
 ⑬ 過労自殺と使用者の安全配慮義務
 ⑭ 解雇権濫用法理
 ⑮ 有期契約と雇止め
 ⑯ ユニオン・ショップ協定の有効性と適用範囲
 ⑰ 労働協約の要式性と効力
 ⑱ 労働協約の拡張適用
 ⑲ 就業時間中の組合活動の正当性
 ⑳ 企業施設の利用と組合活動の正当性
  労組法7条の使用者
  複数組合の併存と使用者の中立義務
  不当労働行為救済における労働委員会の裁量権
評価方法  レポートの内容(レジュメの構成・内容、報告の進め方)、討論への姿勢、ゼミ活動全般への意欲、参加状況について評価する。なお、評価の割合は、レポートの内容を50%、その他を50%とする。
テキスト 唐津博・和田肇編『労働法重要判例を読む』(日本評論社、2008年)
〈参考資料〉菅野和夫・西谷敏・荒木尚志編『労働判例百選(第7版)』(有斐閣、2003年)
      浜村・唐津・青野・奥田『ベーシック労働法(第3版)』(有斐閣、2008年)
その他