南山大学

 
指定
期間
秋学期
単位
年次
2〜4
担当者
田中  実
他の科目との関連 西洋法史A
他学科履修
副題 中世ローマ法学から近代パンデクテン法学までの展開
授業概要 今日の法制度は、ローマ法およびローマ法との接触によって初めて自覚的に観念された非ローマ法、そしてそれらに対する12世紀以降の学問的彫琢および法実務から作られたものです。司法権の独立の一つの表現である裁判官の罷免が容易でないことや、官職保持者が市民に命令権を行使できる法的な根拠が真摯に議論されることは、近代国家が成立してからのことではありません。この講義では、主としてローマ法の法文が12世紀以降の西ヨーロッパでどのように扱われてきたかを紹介します。
学修目標 法制度や法律学の歴史的知識を得るとともに、今日の法制度や法律学でなされている立論に対して批判的な視座を獲得することを目指します。
授業計画 1 プロローグ 法と法律学、社会の危機
2 古代ローマ法の基礎知識
3 12世紀ルネサンス ローマ法の復活
4 ローマ法文に対する註釈 民法と政治の交錯
5 註解・助言学派と普通法学の完成 解釈方法の完成
6 15世紀ルネサンスと人文主義法学(復古学派)
7 人文主義法学(復古学派)の功績 批判思考の成立
8 ローマ法の浸透とフランス慣習法学 相続法と政治の交錯
11 ローマ法の継受とドイツの現代慣用 
12 近世自然法論とオランダ典雅法学 国際公法とローマ法
13 近世の法典編纂
14 パンデクテン法学 サヴィニーによる法学の革新
15 定期試験
評価方法 出席・平常点10%、筆記試験90%
テキスト テキストは指定しませんが、講義全体の参考文献として
(1)ピーター・スタイン(屋敷監訳)『ローマ法とヨーロッパ』ミネルヴァ書房
(2)勝田・森・山内編著『概説西洋法制史』ミネルヴァ書房
(3)勝田・山内編著『近世・近代ヨーロッパの法学者たち』ミネルヴァ書房
を挙げておきます。
その他 配付資料(邦訳史料を含むハンドアウト)を教材とします。配布資料は、あくまで聴講の補助資料の性格を持つもので、他の講義で配布されることが常であるような見通しのきいたレジュメスタイルのものではありませんので留意して下さい。なお予め、田中「ローマ法」山本博文編『歴史学事典9法と秩序』弘文堂p. 679-682(図書館所蔵)を読んでおくと理解の助けになります。