【科目コード】97625
【科目名称】税務会計
【担当者】岡田 昌也
【単位数】2 【配当年次】1秋・2 【開講期】春学期
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【授業概要】
法人税の初心者を対象とし、税務と会計との関係を中心に、個々の詳細な論点ではなく、将来的に会社のマネジメントに必要な知識の習得を目指した授業とする。総論として、税金および会計に対する倫理観を講義する。昨今の会計不祥事、企業による脱税が絶えないが、会社マネジメントとして税務会計に対する姿勢について解説する。個々の論点として、まず税務については法人税を中心に、会社運営に影響を与える事項、例えば減価償却費や引当金の考え方、交際費や人件費の損金性の有無、組織再編税制の考え方を習得する。会計については、会計上の利益と税務上の所得との関係を中心に、会社運営に必要な会社損益と税務損益の考え方を習得する。なお、近年クローズアップされている税効果会計についても、技術的な知識ではなくベースとなる考え方についても講義する。
【到達目標】
将来のマネジメントとして、税務会計に対する社会のニーズを習得し、倫理観のある税務会計の感覚を身につける。また実務家として、税金計算の体系、会社利益との相違を理解し、同時に会社運営に影響がある個々の論点について習得することを目標とする。税務と会計の融合である税効果会計についても、そのベースとなる考え方について習熟することを最低限の目標とする。
【授業計画】
1.
財務会計の概要
(1)
会計総論 (2) 会計原則 (3) 会計に関する法規制
2.
税金計算の流れ①
(1)
税金の種類 (2) 法人税の性格 (3) 利益と所得
3.
税金計算の流れ②
(1)
具体的な計算方法 (2) 法人税申告書の構造
4.
個々の論点①・・・減価償却費
(1)
減価償却計算の概要 (2) 具体的な計算方法
5.
個々の論点②・・・有価証券と棚卸資産
(1)
有価証券の税務上の取り扱い (2) 棚卸資産の税務上の取り扱い
6.
個々の論点③・・・引当金
(1)
税務上の引当金の考え方 (2) 貸倒引当金 (3) その他の引当金
7.
個々の論点④・・・その他
(1)
交際費 (2) 人件費 (3) 寄付金
8.
税務と会計の比較検討
(1)
財務諸表からみた税金 (2) 税務上の損益と会計上の損益の考え方
9.
連結財務諸表の概要と税金
10.
税効果会計①
(1)
基本的な考え方 (2) 具体的な計算方法
11.
税効果会計②
(1)
回収可能性についての判断 (2) 他社例の分析方法
12.
税務会計とキャッシュフロー
(1)
キャッシュフロー計算書の見方 (2) キャッシュフロー計算書における税金の見方
13.
組織再編税制①
(1)
組織再編概略 (2) 税制適格要件の概略
14.
組織再編税制②
(1)
組織再編税制の個々の論点 (2) ケーススタディー
15. 倫理観について・・・税務会計不正についての事例研究
(1) 粉飾決算事例 (2) 脱税と節税の区分
【評価方法】
筆記試験50%
提出物30%
レポートの提出
クラスへの貢献度20%
授業中のディスカッションへの参加態度や発言内容
【テキスト】
飯野利夫『財務会計論』(三訂版)同文舘出版2007年4月
井上一夫『図解 法人税』財団法人 大蔵財務協会
【参考文献】
日本公認会計士協会『監査小六法』中央経済社
鈴木義行『M&Aハンドブック』中央経済社