南山大学

 
指定
期間
夏期後半
単位
年次
1〜
担当者
江田 信豊
他の科目との関連 環境保全論2,3、環境生物学
他学科履修 不可
副題 里山環境の保全と愛知万博の跡地利用
授業概要  本プログラムは、総合政策的視点に基づくフィールドでの実地活動を通して、実社会における現実的諸問題や様々な社会的組織の活動実態などの理解を深める と共に、広い視野および専門的知識の涵養を目的として設定されるもので、学外での実践的体験学習(5〜6日程度以上)と事前事後指導とから構成される。体験学習には、学部教員自らが計画推進する調査・研究活動やNGOなどの組織が主催するボランティア活動等への参加が想定される。参加者には、4000字以 上のレポート提出が義務付けられる。
学修目標  里山の保全を実地に観察してその方法を探る。愛知万博の跡地利用は現状でよいのか?
授業計画  2005年愛知万博は様々な経緯をたどって、長久手会場(旧青少年公園)と海上の森において半年の会期で開催された。会場は愛知県西部丘陵地域であり、様々な動植物が生息しており、その中には絶滅危惧種であるギフチョウ、オオタカ、シデコブシなどの貴重な動植物が含まれていた。愛知県は万博開催後これらの自然環境を復元することを公約し万博は開催された。万博開催後長久手会場は「愛・地球博記念公園」として生まれ変わり、その中には「もりの学舎」と呼ばれるフィールドセンターが設置された。一方海上の森は5つのゾーン「ふれあいの里」「恵みの森」「生態系保護区域」「循環の森」「野鳥・古窯の森」に分けられ「あいち海上の森センター本館」がその拠点として設置された。南山大学瀬戸キャンパスはそのような環境の中に立地した大学で海上の森からは最も近い大学の1つである。従ってその立地条件を生かし「里山環境の保全」について提言を行うことは学生にとり意味のある環境授業の1つであると考えられる。私は1995年から本地域の「ギフチョウの衰亡と保護」というテーマで研究を進めてきた。愛知万博が開催される前年2004年に青少年公園で調査を行った際には200頭を超えるギフチョウの姿を見ることができたが、万博開催後の2006年にはわずか3頭のギフチョウしか観察できなかった。このことからも現在愛知県が行っている環境保全活動は必ずしも十分であるとはいえない。本講義では学生は実際に「愛・地球博記念公園」と「海上の森」の動植物を観察・調査し、さらに「あいち海上の森センター」や「もりの学舎」にてその自然系プログラムに参加して、愛知県の両地域の里山環境の保全についての取り組み方を聞く。その上で両地域の里山環境を今後どのように保全したらよいのかを提言させそれをレポートとして提出する。
 
「開講期間」
4月から7月までの土・日(予備日)の授業のない曜日。5〜6日 約30時間を予定。
実習は午前10:00集合 午後15:00〜15:30解散

4月9日(土)(事前授業) 5限目 ガイダンス(資料配付と事前準備の説明)
4月16日(木)(事前授業) 5限目 愛知万博と海上の森(講義)
4月18日(土)(学外実習) 海上の森「生態保護地域」の動・植物の観察
5月9日(土)(学外実習) 愛・地球博記念公園の動・植物の観察
5月23日(土)(学外実習) 海上の森「野鳥・古窯の森」の動・植物観察
6月13日(土)(学外実習) 「もりの学舎」にて自然系プログラムの受講
7月4日(土)(学外実習) 「あいち海上の森センター本館」にて愛知県の取り組みの受講と観察
7月9日(木)(事後授業) 5限目 データのまとめ(講義)
評価方法 出席40%、レポート60%
テキスト プリントを授業中に配布
その他 定員20名、交通費等は自己負担