南山大学

 
指定
選必
期間
春学期
秋学期
単位
年次
2〜4
担当者
菊池 理夫
他の科目との関連
履修対象学科
副題 現代のコミュニタリアニズムと人間の尊厳
授業概要  1980年代に主として北米で始まった「リベラル・コミュニタリアン論争」は哲学的論争だけではなく、実際の政策とも絡んだ論争であった。とりわけ、「共通善の政治学」を唱える現代のコミュニタリアンの中心的主張に「人間の尊厳」があり、このことが個人の自由や権利を絶対視するリベラルの主張とどのように関連し、また対立するのかを明らかにすることによって、英米の政策への影響や日本におけるその可能性も考えていく。
学修目標 (1)欧米における「共通善の政治学」の伝統と「人間の尊厳」との関係を理解すること。
(2)欧米では哲学や倫理が実際の政策に影響を与えていることを理解すること。
(3)現在の日本の政策においても哲学や倫理が必要であることを理解すること。
授業計画 1.政治思想と政策
2.社会契約とリベラリズム(自由主義)
3.リバタリアニズムとネオリベラリズム(市場主義)
4.リベラル・コミュニタリアン論争の意義
5.西欧政治思想の伝統としてのコミュニタリアニズム(「共通善の政治学」)
6.現代の政治思想(1)ネオコン(新保守主義)(2)ポスト構造主義(ポストモダニズム)
7.(3)フェミニズム(4)マルチカルチュラリズム(多文化主義)
8.(5)エコロジズム(環境主義)(6)国際関係論
9.(7)熟議民主主義(ラディカル・デモクラシー)(8)シヴィック・ジャーナリズム
10.実践哲学としてのコミュニタリアニズム(1)マッキンタイア(2)テイラー
11.(3)ウォルツァー(4)サンデル
12.エッツオーニの「応答するコミュニタリアニズム」
13.ブレアの「新しい労働党」
14.日本のコミュニタリアニズムの可能性と政策
授業時間外の学習(準備学習など) 授業後にテキストの該当箇所と配布プリントを読んでおくこと。
評価方法 授業の取り組みや出席状況が30%、定期試験における達成度が70%
テキスト 菊池理夫『日本を甦らせる政治思想——現代コミュニタリアニズム入門』講談社現代新書
その他 現在の政治・社会情勢に関して、新聞などを読み、関心がある学生があり、自分の見解を語れる学生が望ましい。