南山大学

 
指定
選必
期間
秋学期
単位
年次
1〜4
担当者
鈴木 真
他の科目との関連
履修対象学科
副題 日本と集団主義
授業概要  日本人論では、欧米人は個人主義的で、それに対して日本人は集団主義的である、と言われてきた。現在では、集団主義は日本人のイメージとして浸透している。たとえば、日本人は特に(調)和を重んじるとか、相互依存的だとか、画一的だとか、従順だというイメージは広くもたれている。しかし、この通説は検証に耐えるものなのだろうか?心理学、言語学、経済学、教育学などにおける実証的な研究をもとにこの問いを追究する。またこの通説が広まった原因と、通説の隠れた評価的含みも考察する。
学修目標  日本人論、特に「日本人=集団主義」説の意義と問題点を知る。社会・文化研究における実証研究の方法論と陥りやすい誤りを学ぶ。ステレオタイプの心理的・社会的機能と評価的機能を理解できるようになる。
授業計画 1.はじめに 日本人論
2.日本人論批判
3.「日本人=集団主義」説に関する心理学的研究
4.「日本人=集団主義」説に関する言語学的・教育学的・経済学的研究
5.「日本人=集団主義」論争
6.「集団主義的文化」再考
7.個別のエピソードにもとづく「日本人=集団主義」説擁護論
8.戦前の日本人は集団主義だったか?
9.戦時下の集団主義
10.確証バイアス
11.オリエンタリズムとしての集団主義
12.「国民性」と対応バイアス
13.文化とステレオタイプ
14.ステレオタイプの評価的含み、まとめ
授業時間外の学習(準備学習など) 毎回、自習内容を指示する。
評価方法 コースワーク30% 定期試験70%
テキスト 高野陽太郎(東京大学心理学教授)著 『「集団主義」という錯覚—日本人論の思い違いとその由来』(新曜社、2008年、2835円)。
その他