南山大学

 
指定
選必
期間
秋学期
単位
年次
1〜4
担当者
薫 祥哲
他の科目との関連
履修対象学科
副題 ごみ問題と環境評価
授業概要  自然資源や環境は、経済活動を行う上でのインプットであると同時に、人々は環境アメニティーに高い価値を見出している。これまでの経済分析は製品消費からのメリットを追求してきたが、消費に伴う廃棄物の問題や資源の枯渇問題などにはあまり着目して来なかった。この授業では、さまざまなゴミ問題やリサイクル法規制を中心に議論する。どうして廃棄物処理の問題が発生し、再資源化(リサイクル)などの対策が有効なのかを考える。また、一般の人々はどのくらい環境保全や改善を評価しているのかについて、その価値測定手法を紹介しながら環境資源の有効利用を考える。
 個々のトピックごとに主としてテキストから講義を行うが、関連のある新聞記事などのリーディングや追加的な教材も多数利用する。出来るだけ身近な例を紹介していく。
学修目標  ゴミのリサイクルをはじめ、すべての環境改善努力にはコストが伴う事を理解し、コストに見合ったメリットが得られるかどうかといった費用対効果分析の思考が出来るようになることを目標とする。また、環境の価値付けをするためにはどのような評価手法が存在し、なぜこれらの手法が重要なのかを理解してもらいたい。
授業計画 この授業では、以下のトピックスを扱う。
1)自然環境を加味した社会経済システム(イントロダクション)
2)容器包装リサイクル法、家電リサイクル法
3)PCリサイクル法、自動車リサイクル法
4)グッズの世界とバッズの世界
5)動脈産業と静脈産業、潜在技術と顕在技術
6)一般廃棄物と産業廃棄物、バックストップ技術、ゼロエミッション
7)リサイクルが市場で機能するための条件
8)情報の非対称性と逆選択
9)汚染者支払い原則とピグー税
10)バッズのフローの最適制御
11)環境の経済評価(その1)
12)環境の経済評価(その2)
13)グリーンGDPとは
14)環境評価の事例紹介
15)定期試験
授業時間外の学習(準備学習など) 教科書や配布資料の該当部分を事前に読み、授業の予習をしておくこと。
評価方法  定期試験(100%)
テキスト ・細田衛二著「グッズとバッズの経済学—循環型社会の基本原理—」、東洋経済新報社、2000年
・和田憲昌訳「新しい環境経済学—持続可能な発展の理論—」(第3章「環境の経済的評価」)、ダイヤモンド社、1994年
・細田衛士(編著)「資源循環型社会のリスクとプレミアム」、慶應大学出版会、2009年
・坂田裕輔著「ごみの環境経済学」、晃洋書房、2009年
その他