南山大学

 
指定
期間
春学期
単位
年次
1〜4
担当者
濱田 琢司
他の科目との関連
履修対象学科
副題 文化の多様性と地域との関係を考える
授業概要  人文地理学とは,各地域のそれぞれの状況を網羅的に記述する暗記科目のように思われがちですがが,実際は,そうした地域ごとの様々な差異や特性が,どのように形成されるのかという,地域的差異・特性の形成プロセスやその意味を探求する学問です。本講義では,人文地理学の分野や歴史を概観したあと,講義後半は,人文地理学のなかでも主に文化地理学を中心に講義します。
 とくに,「地域の文化の多様性を環境決定論に陥らずに説明すること」を文化地理学の一つの命題とし,地域と文化との様々な交渉について検討します。
学修目標  グローバル化が進展する現在,そうした状況に反して,一方では,ローカルな個性や文化が叫ばれています。そのような時代にあって,地域と文化との関係は非常に入り組んだ状態となっています。この講義では,文化地理学という視点から,地域と文化との様々な関係を考えるための端緒となるような事項を紹介していきます。そうした事例の理解を通して,現代的な地域と文化との関係を考えるための視点・視点を獲得することを目的とします。
授業計画 1.イントロダクション─人文地理学とは─
2.地理学の諸分野─人文地理学と文化地理学─
3.人文地理学思想の歴史(1)─地理学の成立─
4.人文地理学思想の歴史(2)─地理的見方の確立─
5.環境決定論と文化(1)─環境決定論とは─
6.環境決定論と文化(2)─環境決定論の隆盛とアンチテーゼの発生─
7.環境可能論という視点
8.文化地理学における環境と地域
9.地域と文化(1)─ペラグラからわかること─
10.地域と文化(2)─文化伝播論─
11.地域と文化(3)─はげ山の形成─
12.地域と文化(4)─食と文化─
13.地域と文化(5)─景観の形成と権力─
14.まとめ─多様化する社会の文化を考える─
授業時間外の学習(準備学習など) ・初回講義までに,「地域」と「文化」の結びつきのあり方について,自分なりに考えておくこと。
・2回目以降の講義については,毎回,前回の講義内容を再確認しておくこと。
・事前にテキストを配布し,予習を促す回もある。その折は必ずそれに従うこと。
評価方法 定期試験が 85%、講義中課題が 15%
テキスト 特になし
参考文献は適宜指示します。
その他