南山大学

 
指定
期間
秋学期
単位
年次
1〜4
担当者
渡邊 拓也
他の科目との関連
履修対象学科
副題 逸脱の歴史社会学
授業概要 なぜ人を殺してはいけないのか、どうしてドラッグは違法なのか等々。そもそも善悪が社会的構築物である以上、こうした問いに普遍的な答えは存在せず、各社会の分析から始めなくてはならないというのが社会学の教えである。本講義では近代ヨーロッパにおける「犯罪・狂気・病」の3つの軸を中心に、正常性の歴史的分析から逆照射して現代の「逸脱」および「逸脱者」の系譜に迫る。
学修目標 過去へ遡って現代の常識を一度相対化し、「問題を別の視点から見る」という社会学的還元を体験することで、今日の社会が抱える諸問題についてより深く考察する力、および遠く未来を見据えることのできる眼差しの習得が目指される。
授業計画  1.問題への導入:「どこ」からの逸脱か
■第1部:掟の侵犯としての<犯罪>
 2.原罪:トーテムとタブーと祝祭と
 3.社会契約説と国王の二つの身体
 4.「生来的犯罪者」からレイベリングへ
 5.パノプティコン:規範の内面化
■第2部:非理性としての<狂気>
 6.鎖からの解放と「心理療法」traitement moral
 7.ジャンヌ・ダルクの幻覚
 8.天才と発狂恐怖:心の調和からバランスへ
 9.ドラッグの誕生:進化論と「デジェネレッサンス」
■第3部:個体/種の危機としての<病>
 10.疫病モデル:黒死病と公衆衛生
 11.社会病理と<人口>
 12.社会防衛:「平均人」と「異常者たち」
 13.医療の言説:生の権力から生の正当性へ
 14.結論:現代において「正常normal」であること
授業時間外の学習(準備学習など) 特になし。
評価方法 期末レポート(90%)、平常点(10%)
テキスト
その他