南山大学

 
指定
期間
春学期
秋学期
単位
年次
3
担当者
斎藤 衛
他の科目との関連
他学科履修 不可
副題  言語学研究
授業概要  本演習の主な目的は、言語関連の卒業研究が、言語事実の正確な分析に基づき、また、言語研究の大きな流れの中に位置付けられるような成果を提示するものとなるように、必要な基礎知識を身につけることにある。まず、現代言語学の目的について概説し、主要な研究課題を紹介する。その上で、受講者は、(1) 文法分析の方法を学び、(2)卒業研究のテーマについて考えていく。
学修目標  文法研究の全体像を把握した上で、特定の現象について詳細な分析を行ない、理論的仮説を提示する力を養う。また、英文の教科書を使用することによって、受講者の英語運用能力を高め、卒業研究を進めていく際に英文の参考文献を無理なく読みこなすことができるようにする。口頭発表の仕方、論文の書き方についても、できるだけ時間を割きたい。
授業計画  春学期は、統語論に関する講義を中心とするが、随時討論の時間を設け、様々な問題について全員で考えるようにしたい。また、練習問題を課して、知識だけではなく、実際に言語分析ができるようにする。秋学期は、日本語音韻論の基礎を留学生別科の学生とともに学ぶ。本演習の受講者には、加えて、それぞれが興味を持った問題について、5枚程度の論文を提出してもらう。

春学期1.統語範疇、2.形態論、3.句構造、4.X’理論、5.小節、6.変形規則、
       7.格理論、8.自由語順、9.複合動詞、10.統語と意味、11.空代名詞、
       12.再帰代名詞、13. 演算子移動、14. 再構築化
秋学期1.日英語の音、2.音と音素、3.弁別的素性、4.同化現象、5.無声化と連濁
     6.削除現象、7.日本語の動詞活用、8.強勢と音調、9.東京方言の音調、
       10.その他の方言、11.京都方言の歴史的変遷、12.複合語の音調、
       13.音節とモーラ、14.日英語の言葉遊び
授業時間外の学習(準備学習など)  テキストの予習、授業の復習、課題の提出に加え、特に興味をもった事象をとりあげて、自発的に調べ、4年次の卒業研究のテーマについて考え始めることが望まれる。
評価方法  口頭発表(50%)と課題(50%)による。
テキスト Natsuko Tsujimura. An Introduction to Japanese Linguistics.(Blackwell, Oxford, 1996)
(参考文献)
中村捷・金子義明・菊地朗『生成文法の基礎』(研究社, 1989)
立石浩一・小泉政利『文の構造』(研究社, 2001)
三原健一『生成文法と比較統語論』(くろしお出版, 1998)
その他