南山大学

 
指定
選必
期間
秋学期
単位
年次
1・2
担当者
斎藤 衛
他の科目との関連
他学科履修 (その他)参照
副題  世界の言語の中の日本語(音韻と類型)
授業概要  音韻と類型に関するトピックを選び、講義を進めていく。音韻では、日本語に特徴的な現象として、連濁(その日+くらし=その日ぐらし)や音調(雨と飴の違い)をとりあげる。語形成も扱い、「白」という名詞から「白い」という形容詞を作ることができるのに、なぜ「紫」〜「紫い」とならないかといった問題を考える。学期の後半は、日本語の埋め込み文の形を、他の言語と比較しながら考察する。「〜笑った (人)」、「〜笑ったと(思う)」、「〜笑ったのを(後悔した)」、「〜笑ったか(尋ねた)」といった様々な埋め込み文の形があるが、それぞれについて分析を行い、日本語の類型的特徴の一端を明らかにする。授業の中で、人類文化学科の卒業研究もいくつか紹介する予定。
学修目標  言語の分析方法を学習し、世界の言語の中に日本語を位置付けて、その特徴を考えることを学ぶ。身近な現象について、深く考える力を養うことが最も重要な目標である。
授業計画 1.序:言語学とは
2.日本語の不思議(1)—連濁(花+畑=はなばたけ)
3.強勢言語と音調言語(強弱と高低、英語との比較)
4.音調と方言
5.日本語の不思議(2)—語形成のパターン(赤〜赤い、ピンク〜ピンクい?)
6.結果構文にみられる言語間のバリエーション(エド語、中国語、英語との比較)
7.時制と小節
8.日本語の不思議(3)—埋め込み文の構造(〜と、〜の、〜か)
9.引用の形式(スペイン語、ドイツ語、ヒンズー語、バスク語との比較)
10.命題の提示(前提と主張)
11.疑問文の埋め込み
12.主文と埋め込み文
13.主題文の分布(イタリア語との比較)
14.総復習
授業時間外の学習(準備学習など)  授業で示されるデータの整理、授業の復習に加え、自発的に日本語の現象について考え、分析してみることが望まれる。学習の助けになる課題をこなすことで、理解を深める。
評価方法  課題(50%)と試験(50%)による。
テキスト  プリントを配布する。
その他  他学科履修可。ただし、日本文化学科生は、「24351 言語学概論B」に登録すること。