22321 現代の文化人類学A
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選 |
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春学期 |
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2 |
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2〜4 |
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杉尾 浩規 |
他の科目との関連 | |
他学科履修 | 可 |
副題 | 自殺の文化人類的研究 |
授業概要 | 文化人類学が研究対象とし、かつては「未開」と形容された社会でも「自殺」は発生します。本講義では、自殺の文化人類学的研究を学説と事例という二つの側面から考察します。学説については、フランスの社会学者デェルケムの『自殺論』及びそれ以降の自殺研究史を振り返りながら、その中で生まれた「復讐自殺」という文化人類学的自殺概念を中心に紹介します。事例については、私の現地調査に基づく大平洋の島嶼国フィジーにおける自殺を詳しく取り上げ、多角的に議論を試みるつもりです。 |
学修目標 | 日本の自殺の現状は深刻なものであり、私たちは日々自殺に関する情報にさらされています。この圧倒的情報量を処理し考えるためには何らかの方法論が必要であり、文化人類学を中心とする近隣諸科学で培われてきた自殺研究はそのような方法論の一つとして学ぶに値するものだと思います。本講義が目指すのは、皆さんが自殺に関する情報を暗記することではありません。自殺という世界規模で人類に突き付けられた問題を考えるための道具として、自殺の人類学的研究を共に学び考えることが目標です。 |
授業計画 | 1.はじめに 2.デュルケム『自殺論』(1) 3.デュルケム『自殺論』(2) 4.デュルケム『自殺論』への批判と乗り越え 5.文化人類学における自殺研究史 6.文化人類学における自殺概念としての「復讐自殺」 7.フィジー(フィジー諸島共和国)の地理、歴史、社会、文化、そして自殺。 8.フィジーにおける自殺の現状と特徴(1) 9.フィジーにおける自殺の現状と特徴(2) 10.フィジーにおける自殺の現状と特徴(3) 11.フィジーにおける自殺の現状と特徴(4) 12.フィジーにおける自殺の現状と特徴(5) 13.「復讐自殺」再考 14.おわりに |
授業時間外の学習(準備学習など) | 授業の為の準備学習は課しませんが、各自が自殺現象を問題意識化し考えるという姿勢を持つことを希望します。日本の自殺に関する新聞やテレビなどの記事に気を配るようにして下さい。 |
評価方法 | 学期末レポートにより評価します。 |
テキスト | 特定のテキストは使用せず、毎回授業のレジュメを配布します。また参考文献を含めた資料等も適宜紹介していきます。 |
その他 |