22541 自然人類学
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選 |
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春学期 |
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2 |
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2〜4 |
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渡邉 毅 |
他の科目との関連 | |
他学科履修 | 可 |
副題 | 日本における自然人類学の展開。 |
授業概要 | 二つのテーマを扱う。まず、霊長類研究の成果から、子殺し行動の実態とその行動がもっている進化史的意味を追究する。学問的立場としては、社会生物学の枠組みから議論を進め、進化行動学についての説明をおこなう。人間社会に見られる子殺しについても言及する。 もう一つのテーマは、日本人類学会が100年以上にわたって追求してきた「日本列島人」の起源をめぐってである。自然人類学の日本での展開を学説史から追跡し、われわれのルーツをめぐる言説の到達点を解説する。現代日本人の大半は、縄文時代人(原日本人)の子孫と弥生時代から急増した渡来人の間の「混血」によって形成された、と考えられる。この結論が得られるまでの激しい論争についても紹介する。 |
学修目標 | 人間行動にも遺伝的背景と環境要因の両者がかかわること、つまり遺伝決定論も文化決定論も間違っていることを認識させる。現代日本人の形成のプロセスに集団間の混血があったことを理解させ、〈異人〉に対する差別や偏見を無化させたい。 |
授業計画 | 1回 :授業の概要と目標 2回 :日本のサル学 3回 :今西錦司と海外調査 4回 :インドでのハヌマンラングール調査 5回 :子殺しの発見 6回 :子殺しの意味論 7回 :社会生物学 8回 :人類のアフリカ起源説 9回 :新人類の出アフリカ 10回 :明治政府の教育政策 11回 :坪井正五郎と〈コロボックル〉説 12回 :小金井良精と〈アイヌ〉説 13回 :清野謙次と〈原日本人〉説 14回 :主流派対反主流派、〈混血〉説の勝利 |
授業時間外の学習(準備学習など) | 授業で紹介する参考文献を読んでおくこと。 |
評価方法 | 出席状況(30%)、授業態度(10%)、期末試験(60%)で評価する。 |
テキスト | なし |
その他 | 参考文献は講義のなかで示す。 |