南山大学

 
指定
期間
秋学期
単位
年次
3・4
担当者
櫻井 健吾
他の科目との関連 経済史入門Aを履修していることが望ましい
他学科履修 不可
副題 近代ヨーロッパにおける産業革命、人口動態、海外移住、農業革命。
授業概要 近代世界は動態的な産業社会である。この社会の歴史的な起源はヨーロッパの産業革命にあった。この産業革命よりも少し遅れて、人口上の大変化「人口転換」が生じた。私の講義、経済史入門Aと西洋経済史A・Bはこれらの変化を捉えることを狙っている。この講義では、そのうち19世紀に生じた海外移住という大量現象を取り上げる。この海外移住の最大の要因は、ヨーロッパとドイツにおける農業構造の転換にあった。そのため、第2編ではヨーロッパ農業史も対象とする。
学修目標  上述した対象を解明することによって、なぜ産業革命期に海外移住という特殊な現象が生じたのか、なぜヨーロッパとドイツの農業は19世紀に構造転換を迫られたのか、明らかになる。同時に、移民によって成立したアメリカ合衆国という国家の性格も解明できる。
 この講義によって、現代の産業社会がどのような特殊な条件の上に成立したか、産業社会の特徴は何か、われわれはどのような性格の社会に生きているのか、学ぶことができるであろう。
授業計画 序 章 大衆窮乏化、農業の構造転換、海外移住、産業化
第1編 海外移住の歴史と性格
 第1章  17・18世紀の海外移住
 第2章  19世紀の海外移住の長期変動
 第3章  19世紀の海外移住の条件と性格
第2編 ヨーロッパ農業史
 第1章  18世紀までのヨーロッパ農業の一般的特徴
 第2章  18世紀までのヨーロッパ農村
 第3章  19世紀の農業革命
 第4章 ドイツにおける農民解放
第3編 19世紀ドイツの海外移住と農業構造の転換
 第1章  海外移住の原因
 第2章  海外移住者の人口・職業構成
 第3章  海外移住の消滅と国内大人口移動の開始
授業時間外の学習(準備学習など) 授業の最初に配布する予定表に従って、毎回の予習(テキストの該当箇所)と復習を行うこと。レポートは出席を取る際に提出させる。
評価方法 筆記試験(80点)と出席(20点)。
テキスト プリントと『近代ドイツの人口と経済』ミネルヴァ書房。
その他 毎週プリントを配布するので、授業に遅れないこと。