南山大学

 
指定
期間
春学期
単位
年次
3・4
担当者
大井 由紀
他の科目との関連
他学科履修
副題 移民(越境移動)論
授業概要 旅行者・留学生・労働者・難民などグローバル化の中で人が国境を越える/越えざるをえない理由は多様化している。こうした移民・越境は社会科学(社会学・政治学・歴史学・法学など)の諸領域で研究されてきた。本講義では各分野がどのような関心のもと、どのような視角で移民を考察してきたのか概観する。既存の国家や社会(アメリカ)にとって移民がどのような意味をもつのか考えるだけでなく、逆に、移民・越境という視角から国家や社会について再考する機会としたい。
学修目標 1.)移民研究の基礎知識を学習する
2.)移民が国民国家や社会にもたらしている変化を理解する
3.)移民を分析する視角・方法を学習する
授業計画 1.イントロダクション:現代社会と移民
2.人はなぜ国境を超えるのか?(1)プッシュ・プル要因
3.同化論:受入社会における移民の位置づけ
4.移民政策と人種
5.移民の女性化:女性移民の増加と再生産労働のグローバル化
6.トランスナショナルな世帯形成
7.シティズンシップ
8.主権:国民国家における移民の位置づけ
9.人はなぜ国境を超えるのか?(2)「精神移民」・「文化移民」
10.越境とナショナル・アイデンティティ
11.トランスナショナリズム
12.越境する意味:移民にとって国民国家とは?
13.アメリカと他国の移民研究の比較
14.まとめ:「移民」とは誰か?
授業時間外の学習(準備学習など) 2・3回に一度、講義内容に基づくアサイメントを出す予定
評価方法 宿題50%、学期末レポートないし期末テスト50%
テキスト 配布資料
その他 参考図書:杉原薫ほか(1999).『岩波講座 世界歴史19:移動と移民』岩波書店
     Brettel, Caroline & James Hollifield (2008). Migration Theory: 2nd ed. New York: Routledge