南山大学

 
指定
期間
秋学期
単位
年次
3・4
担当者
石田 訓夫
他の科目との関連
他学科履修
副題 アメリカ外交におけるユダヤ系アメリカ人と日系人との比較論
授業概要 日米関係における日系アメリカ人と日本との関係を考えるためのアプローチとして、対極的なユダヤ系アメリカ人とイスラエルを取り上げ歴史的発展の違いを比較する。アメリカ社会でユダヤ系移民と日系移民が辿った各々の歴史的背景を学び、差別的境遇と社会的順応の違いを学ぶ。ユダヤ諸団体がどのような背景から国内で生まれ発展したのかを学ぶとともに、その概要を理解する。特に、日米開戦でアイデンティティーの矛盾と差別に直面した日系人と、戦後にイスラエル独立が実現してイスラエルとの一体感を強めたユダヤ系アメリカ人との社会的行動の違いについて理解する。そして、現代アメリカの中東外交を学習し、また政権とユダヤ組織のロビー活動との関係について学びつつ、これからの日米関係のあり方について考える。
学修目標 (1)アメリカ近現代史においてアメリカに移住した日本人とユダヤ人の各々の歴史と社会的背景を学ぶ。(2)ユダヤ系アメリカ人の間にユダヤ組織が発展した背景を学び、戦前の日米関係の脈絡において、日系人が辿った歴史との違いを理解する。(3)第二次世界大戦中のホロコーストを経て戦後イスラエルの独立にアメリカが果たした外交的役割とともに、戦後のアメリカのユダヤ人社会と日系人社会との違いを理解する。(4)有数の国内ロビー活動組織に成長したユダヤ諸団体の実体について学ぶ。(5)アメリカの中東政策について理解を深める。(6)ユダヤ諸団体がアメリカの中東政策にどのような役割と影響力を有してきているのかを学習する。(7)日系人と日本との関係を考える。
授業計画 1.イントロダクション
2.二十世紀初頭のユダヤ系アメリカ人と日系移民
3.ヤコブ・シフのユダヤ支援:ロシアの反ユダヤ主義と日露戦争
4.ユダヤ人の社会的進出と差別
5.日本人のアメリカ移民と反日運動
6.太平洋戦争と日系人/ホロコーストとユダヤ難民
7.イスラエル建国とトルーマン大統領
8.アメリカのユダヤ団体の概要
9.アメリカの中東政策の展開(1)
10.アメリカの中東政策の展開(2)
11.アメリカ中東外交とイスラエル・ロビー(1)
12.アメリカ中東外交とイスラエル・ロビー(2)
13.オバマ政権の中東政策/アジア政策
14.総括:日米関係と日系人/米・イスラエル関係とユダヤ人
授業時間外の学習(準備学習など) ポール ジョンソン『ユダヤ人の歴史』(徳間文庫)などで、ユダヤ史についての予備的知識を身につけておく。
評価方法 出欠状況とレポートによる。
テキスト テキストは特に指定せず、プリント配布する。
Arthur Hertzberg, The Jews of the United States
T. K. ウォールス、『テキサスの日系人』ほか。
その他