南山大学

 
指定
期間
春学期
単位
年次
2〜4
担当者
大竹 弘二
他の科目との関連
他学科履修
副題
授業概要 19世紀末以降のドイツの政治と社会の動向を概観する。19世紀後半の社会福祉国家の成立から始まって、ドイツ社会民主党のなかで起こった修正主義論争、および20世紀初頭の帝国主義政策の展開とそのイデオロギーを見ていくことにする。また、世紀末から第一次世界大戦直前までのドイツの精神的雰囲気を、近代理性や啓蒙主義からの転回という観点から考察する。そして、第一次世界大戦がドイツとヨーロッパにもたらした社会的・精神的衝撃を検討し、ナチスの台頭を引き起こすことになる諸原因を探っていく。
学修目標 この講義ではドイツの政治・社会史の基本的な流れを概観するが、単なるドイツ史の紹介にとどまることなく、それをより広いヨーロッパや世界の政治経済構造との関連で見ていくことにする。ドイツが歴史的に直面してきた諸問題を学ぶことで、戦争、資本主義、民主主義、貧困問題といったアクチュアルな問題を考える手掛かりとしたい。また、ドイツは19、20世紀の激動する政治状況の中で、マルクス・ニーチェ・フロイトからフランクフルト学派の社会哲学に至るまで、さまざまな思想を生み出してきた。これらの理論は今日の政治学や社会学にも大きな影響を与えているので、それらを紹介することで、現代社会を分析するのにも有効な社会科学的視点を身に付けられるようにする。
授業計画 1.〜3.社会国家の成立と修正主義論争———ベルンシュタインと社会主義の変貌
4.〜5.近代啓蒙主義への懐疑(1)———ニーチェと青年運動
6.〜7.近代啓蒙主義への懐疑(2)———フロイトと精神分析
8.〜9.帝国主義と政治と思想
10.〜12.第一次世界大戦とドイツ———総動員体制の成立
13.〜14.第一次世界大戦直後の思想状況———シュペングラーとマックス・ヴェーバー
各回の内容は、授業の進度に応じて変更することがある。
授業時間外の学習(準備学習など) 授業内容に関連した文献をそのつど適宜紹介していくので、受講者は各自の興味に応じて、学習を掘り下げていくことが望ましい。
評価方法 定期試験が100%
テキスト
その他