南山大学

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指定
 選
期間
 通年
単位
 ４
年次
 2
担当者
 岡田　泉
他の科目との関連 国際法総論Ａ・Ｂの内容に、原則として対応するように考えられています。（国際法総論Ａ・Ｂを並行履修してください。）
他学科履修 不可
副題 〈国際紛争事例の研究—基礎編—〉
授業概要 　国際紛争事例の研究——国際法の基本概念（慣習法、国内法との関係、条約、国家の成立等々）を把握しながら、各分野のテーマに関するさまざまな紛争事例を調べて、国際法の現実の姿を把握します。
学修目標 　受講生は、講義科目「国際法総論Ａ・Ｂ」と本演習で初めて国際法を理論的、体系的に学ぶことになるので、まず基本概念の学習・把握を第一目標とし、そのために、主要な国際法事例を選択して勉強し、これに加えて国際的な紛争がどのように処理されるのかについて理解を深めるようにします。
授業計画 （春学期）(1)〈砂川事件（1959）〉（条約と憲法の優劣関係、司法審査権の範囲）
　(2)〈Mortensen v. Peters（1906）（慣習国際法と国内法の優劣関係）
　(3)〈The Scotia事件（1872）〉（慣習国際法の成立要件）
　(4)〈Lotus号事件（1927）〉（海上衝突事故と刑事裁判権）
　(5)〈庇護事件（1950）、Haya de la Torre事件（1951）〉（外交的庇護と地域慣習法）
　(6)〈インド領通行権事件（1957/1960）〉（２国間慣習法、選択条項受諾宣言）
　(7)〈ノルウエー漁業事件（1951）〉（領海の直線基線と慣習法規則の成立）
　(8)〈ジェノサイド条約に対する留保事件（1951）〉（多数国間条約に対する留保）
　(9)〈ドイツ／韓国・朝鮮〉（分裂国家の歴史と現状）
　(10)〈光華寮事件（1977,1982,2007）〉（政府承認と日中共同声明)
　⑪〈神戸英水兵事件（1952）〉（外国軍隊に対する裁判権）
　⑫〈在日米軍の法的地位〉（安保条約（1952,1960））
　⑬〈地位協定と裁判権〉（相馬が原事件（1957））
　⑭〈アヤトリ事件（1964）〉（外交官の特権免除）
（秋学期）—紛争の平和的解決—
　(1)〈ドッガー・バンク事件＋レッド・クルセイダー号事件〉（国際審査）
　(2)〈テヘラン人質事件（在テヘラン米国大使館事件）〉（司法的解決）
　　 —武力行使—(3)〈キャロライン号事件〉（自衛権の先例か）
　(4)〈アフガニスタン攻撃〉（自衛権で正当化できるか）
　(5)〈ニカラグア事件〉（集団的自衛権行使の要件）
　(6)〈UNEFと朝鮮戦争・湾岸戦争（国連PKOと多国籍軍の区別）
　(7)〈イラク戦争〉（安保理の支持を受けない武力行使）
　(8)〈9.11＋アフガニスタン攻撃＋グアンタナモ抑留問題〉（対テロ戦争の問題）
　　 —軍縮・軍備管理—(9)〈PTBT・CTBT〉（核実験禁止条約）
　(10)〈NPT〉（核拡散防止条約）
　⑪〈NFZ〉（非核地帯・非核三原則）
　　 —国際人道法—⑫〈原爆訴訟〉（広島・長崎原爆投下事件）
　⑬〈核兵器使用の合法性事件〉（ICJ勧告的意見）
　⑭〈ICTY・ICTR〉（旧ユーゴスラビア・ルワンダ国際刑事裁判所）
授業時間外の学習（準備学習など） 毎時限の教材にもとづく事前学習を促すために簡潔な毎時限レポートの提出を求めます。（A４　１枚）
評価方法 　授業参加度（20％）、発表（40％）、レポート評価（40％）にもとづいて、総合評価します。
テキスト 『国際法』〔第５版〕（有斐閣、2007年）

【参 考 書】東信堂・有斐閣・三省堂の条約集
国際法学会編『国際関係法辞典』（第２版　三省堂）
松井編『判例国際法　第２版』など
その他 教材は日本語です。（希望者には、英文を配布します。）