南山大学

 
指定
期間
通年
単位
年次
2
担当者
中谷 実
他の科目との関連
他学科履修 不可
副題 憲法——遠いようで近いもの
授業概要  憲法は、市民生活のルールというよりも、国家の枠組という性格をもつため、民法や刑法の学習と比べて身近な問題のようには感じられないかもしれません。しかし、憲法の学習は、選挙権の平等や住民投票の問題等、主権者国民にとっての重要な問題を扱う他、信仰、校則、IT社会におけるプライバシーの問題、地球市民時代における外国人の人権をはじめとして、私たち自身の生き方と密接に関係してくる様々な問題を扱います。
 本演習では、憲法の具体的問題の学習を通じて、憲法が日々の生活と密接に関係していることを学びながら、将来、公務員試験や法科大学院の入試にも役立つ知識も得ようと考えています(丸暗記の知識ではなく、生きた知識を獲得することが、本演習の目標です)。
 最初の数回、国の統治制度を扱い、その後、人権の問題に入っていきます。授業の進行は、数人で組をつくり、テキストの担当部分およびこれと関連する主要判例をレジメにまとめ、ゼミで報告し、議論する、という通常のパターンです。テキストは、3年次以降も使用できることを考慮して、中村睦男他編『教材憲法判例』(北海大学版会、2008、3000円)を用います。最初の数回に関しては資料を用意します。出席は重視します。レポート提出は、2回です。夏休み後のレポート提出の後、1人数分で、口頭でプレゼンテイションしてもらいます。
学修目標 要は、20あまりのテーマの学習を通じて、(1)憲法は人ごとではなくて、身近な問題であることを理解すること、(2)丸暗記の知識ではなく、できるだけ心からわかった知識とすること。
授業計画 春学期
1 授業の進め方と心構え
2 国民主権と国会——両院は車の両輪 しかし
3 内閣——国会中心主義か、内閣主導型か
4 地方自治——住民投票制度は正しいのか
5 司法審査制——憲法の番人といわれるけれど
6 子どもの人権——校則は拘束か
7 外国人の人権——国境の壁に阻まれる人権
9 プライバシー権——わたしの秘密(人は秘密をもって大人になる)
10 自己決定権——何を自己決定するのか
11 法の下の平等——合理的な区別と不合理な差別
12 信教の自由——西欧では人権の核
13 政教分離——国家は宗教にアンタッチャブルか
14 春学期のまとめ

秋学期
1 春学期レポートの発表(1)
2 続き
3 表現の自由——暴走族の集会の自由は認められるか
4 表現の自由——ポルノの権利
5 表現の自由——その他
6 営業の自由——銭湯の楽しみ
7 生存権——健康で文化的な生活は確定できるのか
8 教育権——だれが教育内容をきめるのか
9 在監者の人権
10 公務員の人権
11 憲法の私人間効力
12 平和主義——力による平和か、力によらない平和か
13 憲法改正——憲法のヘンシーン
14 秋学期のまとめ
授業時間外の学習(準備学習など) 3ー4人でグループをつくり、幹事をおく。そして、教員から各幹事に次週の課題(予習すべきこと)をメールで送り、グループの構成員に伝えてもらう。
評価方法 出席、授業での発言が50%、レポートが50%
テキスト 中村睦男ほか編『教材憲法判例』北海道大学出版会 2008
その他