南山大学

 
指定
期間
秋学期
単位
年次
4
担当者
中谷 実
他の科目との関連
他学科履修 不可
副題 市民としての、また、主権者にとっての憲法判例
授業概要 本授業は、法学部最後の学期において、社会にでるまえの半年間、憲法判例の学習をしようというものです。憲法は、学部の1年から学習しており、またかとおもうかもしれませんが、再度みると新たな発見ができるものです。というよりも、一度や二度、学習したくらいでは、なかなか、憲法判例は理解できてないというほうが正確でしょう。東アジア共同体とかいわれている昨今、また、同性のカップルの婚姻が外国で問題になっている昨今、外国人の人権や再婚禁止期間や非嫡出子の問題について考えることも、十分意味あることとおもわれます。
 最高裁の憲法判例もたくさんありますが、音楽にたとえていうと、条文は楽譜、判決は裁判官による演奏ということになります。本授業では、中村睦男編のテキストに掲載されている基本判例から、各グループが興味のある判例を選び、報告し、議論してもらう通常のスタイルをとります。基本判例のみならず、判例百選にある他の判例も扱うことも歓迎します。出席も重視しますので、留意してください。
学修目標 記憶より考えること(考えながら記憶すること)
授業計画 (1) 授業の進め方
(2) 違憲立法審査権の性格
  警察予備隊違憲訴訟判決
(3) 外国人の人権
  A マクリーン事件判決
  B 定住外国人地方選挙権訴訟判決
  C 東京都管理職選考受験訴訟判決
  D 東京都管理職選考受験訴訟判決
(4) 憲法の人権規定の私人間における効力
  三菱樹脂事件判決
(5) プライバシーの権利
  京都府学連事件判決
(6) 法の下の平等
  A 尊属殺違憲判決
  B 非嫡出子相続分差別事件決定
(7) 議員定数の不均衡と選挙権の平等
  衆議院千葉1区違憲判決
(8) 信教の自由
  「エホバの証人」剣道実技拒否事件判決
(9) 政教分離の原則
  A 津地鎮祭合憲判決
  B 愛媛玉串料違憲判決
(10) わいせつ文書と表現の自由
  A チャタレー事件判決
  B 悪徳の栄え事件判決
  C 四畳半襖の下張事件判決
⑪ 輸入書籍等の税関検査と検閲の禁止
  札幌税関検査事件判決
⑫ 生存権の保障
  A 朝日訴訟判決
  B 堀木訴訟判決
⑬ 職業の自由の規制
  A 小売市場許可制合憲判決
  B 薬事法違憲判決
⑭ 行政処分と適正手続
  成田新法事件判決
⑮ 立法不作為と国家賠償責任
  在外邦人選挙権制限違憲訴訟判決
授業時間外の学習(準備学習など) 3−4人でグループをつくり、幹事をおく。そして、教員から各幹事に次週の課題(予習すべきこと)をメールで送り、グループの構成員に伝えてもらう。
評価方法 出席が50%、レポートが50%
テキスト 中村睦男ほか編『教材憲法判例』北海道大学出版会 2008 3000円
その他