南山大学

 
指定
期間
春学期
単位
年次
4
担当者
中谷 実
他の科目との関連
他学科履修 不可
副題 憲法の基本判例をおさえる
授業概要  日本国憲法は、戦後、アメリカの大きな影響の下、司法制度を変革し、司法権は従来からの民事・刑事事件の他に、行政事件を射程におさめるとともに、憲法81条は、「最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が法律に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である」と規定し、違憲審査制を備えるに至っています。この違憲審査制の運用につき、司法消極主義だとか種々議論がありますが、その前に、裁判所、特に、最高裁判所が、いかなる判決を下してきたかをきっちりおさえておかなければなりません。
 法科大学院ができてから、実務との関連が重視され、憲法の条文の解釈だけでなく、判例の学習が重要となっています(音楽にたとえていうと、条文は楽譜、判決は裁判官による演奏ということになります)。法科大学院では、抽象的に楽譜(条文)を見るだけでなく、実際に演奏して音をだす(適切な解を出す)訓練が求められているのです。
 最高裁の憲法判例もたくさんありますが、本授業では、中村睦男編のテキストに掲載されていく基本判例から、各グループが、興味のある判例を選び、報告し、議論してもらいます。
学修目標 基本判例を素材に裁判官は楽譜(条文)をどのように演奏したの(判決を下したのか)を追体験すること
授業計画 【1】 授業の進め方
以下、テキストにあるテーマをあげておきます。各テーマのもとに1−3の判例があります。そこから選んでもらいます。
【2】 違憲立法審査権の性格
【3】 平和主義
【4】 外国人の人権
【5】 人権の主体と妥当範囲
【6】 人権規定の私人間効力
【7】 プライバシーの権利
【8】 法の下の平等
【9】 政教分離の原則
【10】 表現の自由——集会の自由
【11】 表現の自由——わいせつ文書と表現
【12】 輸入書籍等の税関検閲
【13】 表現の自由——名誉殿損
【14】 報道の自由と知る権利
【15】 経済的自由——職業選択の自由
授業時間外の学習(準備学習など) 3−4人でグループをつくり、幹事をおく。そして、教員から各幹事に次週の課題(予習すべきこと)をメールで送り、グループの構成員に伝えてもらう。
評価方法 出席 報告が50%、レポートが50%
テキスト 中村睦男ほか編『教材憲法判例』北海大学出版会、2008、3000円
その他