南山大学

 
指定
期間
秋学期
単位
年次
1・2
担当者
武田 悠一
講義題目 Literature on Screen
開講キャンパス
授業概要  文学を、映画との関係において考える。具体的には、英米の代表的な文学作品を取り上げて、それにもとづいて作られた映画(film adaptation)と比較しながら、分析・解釈・批評の方法論を学ぶ。言うまでもなく、文学を読むことと映画を観ることは決して同じではない。文学には文学なりの、映画には映画なりの伝統と技法がある。と同時に、たとえば〈物語の構造〉という観点から見れば、両者の間には多くの共通点がある。文学と映画を、その差異と共通点に注目しながら分析し、解釈し、批評すること、またそのために必要な知識と方法を学ぶ。
学修目標 1)文学と映画の研究を通じて、言葉と映像に対する意識を高める。
2)文学と映画の具体的な作品分析を通じて、言葉や映像がどのようにして意味や効果を生み出しているのかを考えながら、文学や映画を多角的に読む視点を習得する。
3)文学や映画がどのような歴史的・社会的条件のもとで生み出され、受容されるかを学ぶ。
授業計画  本年度は以下の4つの文学作品(小説)とそれにもとづいて作られた7つの映画作品を取り上げて、テクスト分析と解釈・批評の方法論を探る。
(1)イントロダクション
(2)〜(4)Mary Shelley, Frankenstein (1818)
       The Bride of Frankenstein (James Whale, 1935)
       Mary Shelley’s Frankenstein (Kenneth Branagh, 1994)
(5)〜(7)Nathaniel Hawthorne, The Scarlet Letter (1850) 
       The Scarlet Letter (Victor Seastrom, 1926)
       Der Scharlachrote Buchstabe (Wim Wenders, 1972)
       The Scarlet Letter (Roland Joffe, 1995)
(8)〜(10)Henry James, The Portrait of a Lady (1881)
       The Portrait of a Lady (Jane Campion, 1996)
(11)〜(13)Virginia Woolf, Orlando (1928)
       Orlando (Sally Potter, 1992)
(14)まとめ
授業時間外の学習(準備学習など) 最初の授業時に配布する授業予定にそって、授業で扱う文学作品と批評文献(最初の授業時にコピーを配布する)をあらかじめ読み、映画作品は前もって観ておくこと。
評価方法 学期末のレポートによって評価する。
テキスト  Mary Shelley, Frankenstein / Nathaniel Hawthorne, The Scarlet Letter / Henry James, The Portrait of a Lady / Virginia Woolf, Orlando(どの版でも構いませんが、いずれの作品もPenguin Classicsのペーパーバック版が出ています。なお、日本語訳はいずれも文庫で手に入ります:メアリ・シェリー『フランケンシュタイン』(森下弓子訳、創元推理文庫)/ホーソーン『完訳 緋文字』(八木敏雄訳、岩波文庫)/ヘンリー・ジェイムズ『ある婦人の肖像(上・中・下)』(行方昭夫訳、岩波文庫)/ヴァージニア・ウルフ『オーランドー』(杉山洋子訳、ちくま文庫)。
 映画作品は、The Scarlet Letter(1926年製作のサイレント映画)以外はそれぞれ以下のタイトルで日本でもDVDで発売されています:『フランケンシュタインの花嫁』/『フランケンシュタイン』(ケネス・ブラナー)/『緋文字』(ヴィム・ヴェンダーズ)/『スカーレットレター』/『ある貴婦人の肖像』(ジェーン・カンピオン)/『オルランド』(サリー・ポッター)。
 その他、必要な文献はコピーを配布します。
その他