南山大学

 
指定
期間
春学期
単位
年次
1・2
担当者
藤本 博
講義題目 「記憶の共有」をめざして——米国における「アメリカの戦争」の記憶をたどる
開講キャンパス
授業概要  本講義では、グローバルな意味で国境を超えて「記憶の共有」をめざす視点から、米国における「アメリカの戦争」をめぐる記憶の歴史的諸相とその特徴について考える。「アメリカの戦争」の対象としては、第二次世界大戦(パールハーバーと原爆投下)を中心に、朝鮮戦争とヴェトナム戦争、湾岸戦争、そして2001年の「9.11同時多発テロ」以降の「対テロ戦争」をとりあげる。最初に下記の【テキスト】欄に記載した三つの文献を検討し、その後、講義題目に関する主要な英語文献を検討する。
学修目標 1.「戦争の記憶」をめぐる現代アメリカ外交の研究課題と研究方法について学ぶ
2.「記憶の共有」をめざす視点から米国における「アメリカの戦争」をめぐる記憶の歴史的諸相とその特徴について考える。
授業計画 1   「アメリカの戦争」の記憶をめぐる研究の課題と方法についての講義。
2〜6 油井大三郎著『好戦の共和国 アメリカ—戦争の記憶をたどる』、同『なぜ戦争観は衝突するか——日本とアメリカ』の検討。
7〜11 「アメリカの戦争」をめぐる記憶の歴史的諸相に関する英語文献の検討。
13〜15 NASSSの基調講演者の全体会報告原稿の検討。
授業時間外の学習(準備学習など) ・授業の予習として、以下の準備をしておくこと。
1.第2講から第6講までは、テキストを精読し、授業で自分が問題提起する議論点を整理しておく。
2.第7講から第12講までは、指定される英語文献を精読すること。
3.第13講から第15講までは、NASSS基調講演者の基調報告を精読すること。
評価方法 授業中のプレゼンテーション 30% 随時課すレポート 70%
テキスト (1)Robert D. Schulzinger, “Memory and Understanding U.S. Foreign Relations,” in Michael J. Hogan and Thomas Patterson, eds., Explaining the History of American Foreign Relations 2nd ed.(Cambridge University Press ,2004)
(2)油井大三郎著の以下の二冊
・『好戦の共和国 アメリカ——戦争の記憶をたどる』(岩波新書、2008年)。
・『なぜ戦争観は衝突するか--日本とアメリカ』(岩波現代文庫、2007年)。(上記の2冊、各自書店で購入のうえ、第1回目の講義時に持参して下さい)
* 第7講以降に検討する英語文献については最初の講義時に指示します
その他 ・2010年7月下旬に開催される国際的セミナーである「名古屋アメリカ研究夏期セミナー」(NASSS)に向けた事前学習の意味を持つ講義ですので、基本的にアメリカ研究領域のすべてのM1、M2院生の履修を希望します。
・【参考文献】
  ・細谷千博・入江昭・大芝亮『記憶としてのパールハーバー』(ミネルヴァ書房、2004年)