南山大学

 

【科目コード】97605

【科目名称】連結会計

【担当者】白木 俊彦

【単位数】2                    【配当年次】1秋・2     【開講期】春学期

 

【授業概要】

本科目は、有用な会計情報を提供するための連結会計について考察する。基礎理論として、連結財務諸表の意義、連結主体論、支配力基準による連結の範囲決定について考察した上で、連結財務諸表を構成する個々の要素の構造と関連性について明らかにする。ここでは、(1)連結キャッシュ・フロー計算書の意義及び現地子会社を含む問題、(2)英米ですでに制度化されている連結包括利益計算書の問題なども含む連結会計に関する理論問題について考察する。

【到達目標】

連結財務諸表の基本理論について理解するとともに、連結財務諸表の作成に関する技術的な理解も目標としたい。個々の基本的な仕訳を通じて、連結精算表を完成させることにより、連結財務諸表の理解を発展させていくことができるように進めていきたい。

授業計画

1.        企業集団と連結会計の基礎知識

(1) 個別財務諸表の限界  (2) 連結財務諸表の意義   

2.        連結財務諸表の基礎  

(1) 連結財務諸表の構成要素  (2) 連結主体論 

3.        連結財務諸表  一般原則

(1) 真実性の原則  (2) 個別財務諸表基準性の原則  (3) 明瞭性の原則   (4) 継続性の原則

4.        連結財務諸表作成の一般基準

(1) 連結の範囲  (2) 連結会社間の調整

5.        連結貸借対照表

(1) 基本原則  (2) 子会社の評価  (3) 投資と資本の相殺消去  (4) 少数株主持分

(5) 子会社株式の追加取得及び一部売却 

6.        連結損益計算書

(1) 基本原則  (2) 連結会社間取引の相殺消去  (3) 未実現損益の消去    

7.        連結株主資本計算書

(1) 基本原則  (2) 剰余金期首残高 (3) 剰余金の期中増減取引   

8.        連結キャッシュ・フロ−計算書

(1) 個別キャッシュ・フロ−計算書  (2) 連結会社間取引の消去 

9.        持分法と比例連結

(1) 持分法  (2) 共同支配企業  (3) 共同支配企業の会計

10.     税効果会計

(1) 税効果会計の意義  (2) 一時差異  (3) 繰延税金試算  (4) 繰延税金負債

11.     在外事業体と外貨換算会計

(1) 在外子会社  (2) 機能通貨アプローチ  (3) 換算方法

12.     四半期連結財務諸表

(1) 作成方法  (2) 表示方法

13.     連結財務諸表の開示

(1) 重要な開示事項  (2) 範囲  (3) 会計処理基準に関する事項

14.     連結財務諸表の注記

(1) 一般基準に関する注記  (2) 追加情報の開示  

15.     連結財務諸表の作成

(1) 支配獲得日 (2) 連結初年度 (3) その他

【授業時間外の学習(準備学習など)】

1.        演習を練習問題集などにより繰り返しておくこと。

2.        会計関連法規について整理しておくこと。

【評価方法】

筆記試験  60%

提出物   30%

その他  講義への参加度等

以上の内容にしたがって総合的に評価する。

【テキスト】

「連結財務諸表要説」菊谷正人・吉田智也  同文舘出版 平成21

会計法規集 最新版 中央経済社

【参考文献】

野村健太郎『連結財務諸表の分析』税務経理協会

金児昭『連結決算書の作成実務第2版』中央経済社1998

広瀬義州『連結会計入門』中央経済社2009

鎌田信夫『新版キャッシュ・フロ−会計の原理』税務経理協会2003

友杉芳正・安永利啓『財務会計の世界』税務経理協会2005

【備考】

会計基礎及び財務会計の単位は修得していること。