南山大学

 

【科目コード】97655

【科目名称】人事アセスメント

【担当者】高橋 弘司

【単位数】2                    【配当年次】1秋・2     【開講期】秋学期

 

【授業概要】

従業員もしくは志願者の人事考課・評価について、採用選抜・内部(昇進)選抜を中心に、スケジューリングと実施、使用すべきツール(テスト)の種類と内容、それぞれのツールの信頼性・妥当性、選抜の意思決定上の留意点と問題点を中心に理解を深める。また、人事アセスメントの重要性についても理論的・実務的に学ぶ。人事アセスメントに関する入門書・専門書を熟読した後、アセスメント・ツールを実際に用いて実習を行い、選抜スケジュール、デザイン、ツール策定、意思決定までの一連の実務的インプリケーションを作成していく。

【到達目標】

 人的資源管理における人事アセスメントの重要性について理解し、人事考課・評価・採用選抜といった一連のアセスメントの計画、ツールについての全般的理解、意思決定上の留意点などについて包括的に学ぶ。

【授業計画】  

1.          イントロダクション

(1)人事アセスメントとは何か

(2)人的資源管理における人事アセスメントの種類とその重要性

(3)人事アセスメントの場面

2.          ツールの信頼性と妥当性(1)

 (1)質を保証する指標としての信頼性・妥当性 (2)信頼性の基礎 (3)妥当性の基礎

3.          ツールの信頼性と妥当性(2)

(1)データ実習 (2)信頼性・妥当性に基づくツールの質の評価

(3)ツールの質の保証用件

4.          資質・人格の評価(1)

 (1)適性検査 (2)実習

5.          資質・人格の評価(2)

 (1)パーソナリティ検査 (2)実習

6.          職務行動評価(多面評価)

 (1)360度多面評価 (2)多面評価のインパクトと応用 (3)実習

7.          職務遂行能力評価(1):人事考課

 (1)人事考課の歴史と現状 (2)人事考課の長短と用途 (3)実習

8.          職務遂行能力評価(2):アセスメント・センター

 (1)アセスメント・センターの歴史と現状 (2)アセスメント・センターの長短と用途

(3)実習

9.          総合評価(面接)(1):種類と用途

 (1)面接の必要性 (2)面接の用途 (3)広義の面接の種類と現状

(4)「よき」面接担当者のための要件

10.       総合評価(面接)(2):セッションにおけるバイアスとその克服

 (1)面接セッションにおけるバイアスの種類と解消法 (2)面接担当者教育の必要性

(3)実習

11.       総合評価(面接)(3):面接基準の策定と信頼性・妥当性

 (1)面接基準へのニーズ反映 (2)基準策定 (3)信頼性・妥当性の担保 (4)実習

12.       人的リスク回避評価

 (1)精神科テストとその必要性 (2)実習

13.       その他のテスト

 (1)最近の流行 (2)アセスメント専門職の方向性(人事データ・バンカー)

14.       質の高いアセスメントと人的資源管理

 (1)アセスメントの質と人的資源管理の改善

(2)人事アセスメントのインパクトとポテンシャル

(3)制度改革と組織が得るベネフィット

15.       まとめ

 (1)これまでの復習

【授業時間外の学習(準備学習など)】

    アセスメントに関する新聞記事や事例を、できるだけ自分で集めておくのが望ましい。

【評価方法】

筆記試験 35

  期末試験 35

課題 35

クラスへの貢献度 30%

   ディスカッション・ケーススタディ分析への参加度

【テキスト】

二村英幸 (2005). 人事アセスメント論−個と組織を生かす心理学の知恵− ミネルヴァ書房(予定)

ほか日本語の関連論文各セッションにつき2篇程度を参考文献として予定。

【参考文献】

講義前・講義中に適宜紹介する。