南山大学　シラバス検索用

Ⅰ．授業の概要

①講義科目名（単位数）	刑法事例研究（２単位）	②担当者名	末道康之
③科目の種類	法律基本科目	④必須の有無	選択
⑤配当学年・学期	2年〜3年(標準コース)、1年〜2年(既修者コース)・秋学期
⑥授業の概要	最高裁判例、下級審裁判例をモデルとした様々な事例を通して、刑法上の問題を合理的に解決する能力を養成し、理論と実務との架橋を念頭に置き、柔軟な刑法解釈のあり方を検討する。総論・各論との融合を図った事例を通して、刑法解釈論上の問題を双方向で議論し検討したい。毎回、取り上げる事例を事前に示し、各自その事例について予習検討をした上で、検討すべき問題点について、議論を加える。
⑦到達目標	事例を通して、刑法上の諸問題について柔軟に対応する能力を養成する。
⑧成績評価の基準と方法	定期試験を中心に、平常点を(1割程度)加味して、評価する。
⑨教科書	刑法事例研究講義案を配付する。
⑩参考文献・参考資料	小林充・植村立郎『刑事事実認定重要判例50選上・下（補訂版）』（立花書房・2007）笠井治・前田雅英『ケースブック刑法（第2版）』（弘文堂・2008）井田良他『刑法事例演習教材』（有斐閣・2009）
⑪履修条件その他の事項	特になし

Ⅱ．授業計画

回担当	①テーマ	授業内の学修活動			④授業時間外の学修活動等
回担当	①テーマ	②ねらい・内容		③授業方法・工夫	④授業時間外の学修活動等
1	人の生命・身体の保護、自由の保護に関する諸問題を検討する（その1）	殺人罪の実行行為性、不作為犯と殺人罪・遺棄罪との関係、保護責任者遺棄致死罪と傷害致死罪との関係など、総論の諸問題と融合した形で、検討し理解を深める。		関連する事例を前提として、解釈論上の問題を双方向で議論する。	事前に事例について各自検討し、関連する判例・裁判例、文献等を熟読しておくこと。
2	人の生命・身体の保護、自由の保護に関する諸問題を検討する（その2）	傷害の概念、同時傷害の特例と共犯からの離脱、危険運転致死傷罪関連、逮捕・監禁罪、略取・誘拐罪、名誉毀損罪などの解釈についての問題について、総論の諸問題と融合した形で、検討し理解を深める。		関連する事例を前提として、解釈論上の問題を双方向で議論する。	事前に事例について各自検討し、関連する判例・裁判例、文献等を熟読しておくこと。
3	財産犯の基本概念を検討する	財産犯の保護法益、客体、所有権・占有の有無と限界、不法領得の意思、情報の保護などについて検討する。		関連する事例を前提として、解釈論上の問題を双方向で議論する。	事前に事例について各自検討し、関連する判例・裁判例、文献等を熟読しておくこと。
4	強盗罪に関する諸問題を検討する	強盗罪に関する諸問題を総論の諸問題と関連して様々な視点から検討する。		関連する事例を前提として、解釈論上の問題を双方向で議論する。	事前に事例について各自検討し、関連する判例・裁判例、文献等を熟読しておくこと。
5	詐欺罪に関する諸問題を検討する	詐欺罪に関する解釈論上の問題について検討する。	関連する事例を前提として、解釈論上の問題を双方向で議論する。		事前に事例について各自検討し、関連する判例・裁判例、文献等を熟読しておくこと。
6	横領罪・背任罪に関する諸問題を検討する	横領罪、背任罪に関する解釈論上の問題について、共犯論（共犯と身分）の視点も含めて検討する。	関連する事例を前提として、解釈論上の問題を双方向で議論する。		事前に事例について各自検討し、関連する判例・裁判例、文献等を熟読しておくこと。
7	放火罪に関する諸問題を検討する	放火罪に関する、焼損の概念、公共の危険概念、建造物の概念、放火の着手などについて検討する	関連する事例を前提として、解釈論上の問題を双方向で議論する。		事前に事例について各自検討し、関連する判例・裁判例、文献等を熟読しておくこと。
8	偽造罪に関する諸問題を検討する	文書偽造罪を中心として、文書の概念、偽造の概念などを中心に、検討する。	関連する事例を前提として、解釈論上の問題を双方向で議論する。		事前に事例について各自検討し、関連する判例・裁判例、文献等を熟読しておくこと。
9	公務員犯罪と公務員に対する犯罪に関する諸問題を検討する	贈収賄罪を中心に、賄賂性、職務権限などの問題について、検討する。公務執行妨害罪を中心に、公務と業務の区別等について検討する。	関連する事例を前提として、解釈論上の問題を双方向で議論する。		事前に事例について各自検討し、関連する判例・裁判例、文献等を熟読しておくこと。
10	因果関係に関する諸問題	因果関係に関する諸論点最近の裁判例の検討を中心として深く検討する。	関連する事例を前提として、解釈論上の問題を双方向で議論する。		事前に事例について各自検討し、関連する判例・裁判例、文献等を熟読しておくこと。
11	故意論・錯誤論に関する諸問題	薬物事犯、行政事犯等の裁判例を通して事実認識、意味の認識の問題を深く検討する。さらに、事実の錯誤、違法性の錯誤、その区別などについても裁判例を通して検討する。	関連する事例を前提として、解釈論上の問題を双方向で議論する。		事前に事例について各自検討し、関連する判例・裁判例、文献等を熟読しておくこと。
12	正当防衛、正当化事情に関する諸問題	正当防衛を中心として代表的な裁判例を通して正当化事情に関する諸問題を深く検討する。	関連する事例を前提として、解釈論上の問題を双方向で議論する。		事前に事例について各自検討し、関連する判例・裁判例、文献等を熟読しておくこと。
13	共同正犯に関する諸問題	共同正犯に関する諸問題について、特に共謀の成否を中心に深く検討する	関連する事例を前提として、解釈論上の問題を双方向で議論する。		事前に事例について各自検討し、関連する判例・裁判例、文献等を熟読しておくこと。
14	共犯に関する諸問題	共犯に関する諸問題を深く検討する。	関連する事例を前提として、解釈論上の問題を双方向で議論する。		事前に事例について各自検討し、関連する判例・裁判例、文献等を熟読しておくこと。
15	総合的検討	様々な諸問題を融合させた事例問題を前提として、刑法解釈上の議論を深める。	関連する事例を前提として、解釈論上の問題を双方向で議論する。		事前に事例について各自検討し、関連する判例・裁判例、文献等を熟読しておくこと。