南山大学

 
指定
選必
期間
春学期
単位
年次
1〜4
担当者
渡辺 義和
他の科目との関連
履修対象学科
副題
授業概要  技術の発達により世界がますます狭くなっていく現在、異文化とコミュニケーションというものをもう一度じっくり考えてみる必要がある。私たちの毎日のコミュニケーションはほとんどが無意識のうちに行われている。同じ文化圏の人たちが母語を通して会話をする際はなおさらだ。しかし、文化やコミュニケーションに対する常識が違う人と接する場合、無意識のコミュニケーションが知らず知らずのうちに相手に誤解を招いたり、相手を傷つけたりすることも多々ある。相手の文化やコミュニケーションの常識を学ぶことは、相手についてより深く正しい理解を得、良い人間関係を築く上で大切なステップだ。この授業ではその手段の1つとして社会言語学的アプローチを勉強し、社会、文化、言語、アイデンティティ等について学んでいく。方法論を学ぶと同時に、それを使った小規模のフィールドリサーチもグループプロジェクトとして行い、実際に行われているコミュニケーションを実体験をもって学ぶ機会を提供する。
学修目標 1)社会言語学の概要を学ぶ
2)自分の言葉や他人の言葉に対する意識を高める
3)文化と言葉とアイデンティティの関係に気付く
4)言葉から社会と文化とアイデンティティを観察し分析する
5)グループプロジェクトを通して、フィールドワークでのデータ収集、分析を体験し、それに基づいたレポートの書き方を学ぶ
授業計画 第1週  講議全体の概観、文化とは何か
第2週  文化の特徴、サピア・ウォーフの仮説
第3週  日本の文化的特徴:地理、歴史、人間関係
第4週  社会言語学とその応用分野、地域方言と標準方言
第5週  研究方法(1):変種分析〜ラボブの研究
第6週  コードスイッチング、ピジンとクレオール
第7週  研究方法(2):談話分析〜タネンの研究、会話分析〜エスノメソドロジー
第8週  ジェンダーによる言葉の違い
第9週  シルバー言葉・若者言葉、グループプロジェクト説明
第10週  グループプロジェクト・ディスカッション
第11週  ポライトネス理論
第12週  ポライトネス・ストラテジーと文化的普遍性
第13週  会話における協調の原理、言葉のイメージと文化
第14週  イギリスとアメリカの学校教育における文化的比較
第15週  期末試験
授業時間外の学習(準備学習など) 毎週授業の冒頭で、前の週の授業内容について質問をするので、授業前に必ず復習をしておくこと。また、授業計画に示した授業内容に従い、テキストの該当箇所をあらかじめ読んでおくこと。
評価方法 授業内課題、グループプロジェクト、期末試験での総合評価
テキスト 田中春美、田中幸子著「社会言語学への招待」〜社会・文化・コミュニケーション〜 ミネルヴァ書房
その他、英語、日本語で書かれたプリントが授業内に配付される。
その他 この科目は、次の JABEE 対応コース「情報技術専修コース」の学習・教育目標に対応する(小項目:A-3)。