南山大学

 
指定
期間
春学期
単位
年次
3〜4
担当者
腰塚 武志
他の科目との関連
他学科履修
副題
授業概要  様々な数理的分野で断片的にしか触れられない幾何確率(Geometrical Probability)について基礎から応用まで系統的に講義する。基礎は積分幾何学(Integral Geometry)に依存するので、まず積分幾何学の初歩的な部分からはじめ、一様な直線について特にCroftonによる重要な定理について論ずることを主題とする。さらに最終的にはBlaschkeによる積分幾何学の主公式についてふれ、その応用例について論ずる。
学修目標 1.幾何確率に関する基礎的な考え方を知っている。
2.一様な直線とはどんなものか知っている。
3.積分幾何学の基礎を幾何確率の問題に適用することを理解している。
4.OR等で出会う様々な幾何学的問題について応用力を身に着けている。
授業計画 1.序論
  Buffonの針、Bertrandの逆説、一様な直線、内々距離、道路網と交差点
2.積分幾何学の基礎概念
  一様な点の分布、一様な直線とは何か、変換による不変な測度
3.積分幾何学
  関数行列式の復習、Croftonの公式
4.積分幾何学
  Croftonの定理1、2とその応用
5.一様な直線に関する応用
  道路網と交差点、ウサギの足跡、地域の開放性
6.積分幾何学
  Blaschkeによる積分幾何学の主公式
7.積分幾何学
  Poincareの公式
8.応用問題
  Buffonの針、橋の相対的密度
9.応用問題
  市街地の環境分析、拡大建蔽率、有効空地の推定、メッシュデータの誤差
10.最近隣距離
  点の分布、Voronoi図、最近隣距離と被覆(Covering)
11.最近隣距離
  線の分布、地震時の避難路
12.内々距離
  Croftonによる微分方程式、円の場合、長方形の場合
13.距離分布と通過量分布
  1次元の場合の距離分布と通過量分布
14.距離分布と通過量分布
  Croftonの定理3、距離分布、通過量分布の一般論
15.定期試験
授業時間外の学習(準備学習など) 授業後2時間程度の復習を要する。特に用いられた線形代数や微積分の定理等をきちんとさらっておくこと。
評価方法 レポート(講義の進行に合わせ作業レポートを課す予定)(20%)と定期試験(80%)による。
テキスト 講義の進行に合わせ講義のはじめに資料を配布。
その他 この科目は、次のJABEE対応コース「情報技術専修コース(情報通信学科・情報システム数理学科)」の学習・教育目標に対応する(小項目:C-5)。