科目コード

科 目 名

指定

期 間

単位

年次

担 当 者

42902

多文化共生論

選択

秋学期

関口 知子

【副 題】

Living Together in Cultural Diversity

【授業概要】

2億を超える人々が国境を越えて移動する越境時代において、「多文化社会化」が深化する日本社会の現状と課題を、「越境家族の子ども(CCK:Cross Cultural Kids)」の視点から考える。そして、今日の日本社会の産業構造や人口動態の変化に応じた「未来の日本社会のビジョン(理想のあり方)」を「ESD: Education for Sustainable Development(持続可能な開発のための教育)」の視点から検討する。

【学修目標】

4.「日本人」という集団単位のまとまり方を縦軸(歴史)と横軸(国際比較)から考える

5.多文化教育・ESDの視座を学ぶ

6.日本の中の人や文化の多様性を活かす、持続可能で希望を持てる社会のあり方を考える

【授業計画】

1.オリエンテーション:「多文化共生」とは?「越境家族の子ども(CCK)」とは?(テキスト8章1節)NHKドキュメントにっぽんの現場「ミックスルーツ:誇りを胸にHipHop

2.ゲスト・レクチャー:なぜ今、多文化共生なのか? By多文化共生リソースセンター東海

3.新しい貧困と格差社会化:「本当に大事なこと」を考える(テキスト6章4節・8章1節2項)

4.文化とは何か:「日本文化」とは?「自文化」とは? (テキスト7章2節1項・4節2項・)

5.「日本人」とは、「CCK」とは誰か?:様々な人間区分の曖昧な境界線(テキスト8章2節1項)

6.文化化とアイデンティティ:生涯つづく動的プロセス(テキスト7章2節2項)

7.可視化されない「マイノリティ」とは誰のこと?

:部落差別の歴史に学ぶ(テキスト8章1節・4節)

8.「日本人」とナショナリズム@

:「日系アメリカ人」の強制収容の歴史に学ぶ(テキスト8章2節4項)

9.公教育と「外国人」としてのCCK:公教育の隠れたカリキュラムとは?(テキスト8章2節)

10.内集団と外集団

:カテゴリー化・ステレオタイプ・偏見・差別のメカニズム(テキスト7章4節1項)

11.「国際結婚家族」の子どもたちの歴史・現在から、未来を展望しよう(テキスト8章2節4項)

12.「在日コリアン」の歴史・現在から、未来を展望しよう(テキスト8章2節4項)

13.「日本人」とナショナリズムA

:越境時代の社会統合のあり方を考えよう(テキスト8章2節4項)

14.越境時代の多文化共生と多文化教育:多元的市民性とは?(テキスト8章3節)

15.まとめ:多様性を活かす共生社会をめざして(テキスト8章4節)

16.定期試験(レポート提出)

【授業時間外の学習(準備学習等)】

事前に、テキスト全体に目を通しておくこと。また、8章を中心に各章【キーワード解説】【読んでみよう・考えてみよう】【参考・引用文献】も自学自習用に最大限活用されたい。なお、授業中に配布する資料には必ず目を通し、中間レポート及び期末レポートでの考察に反映させること。

【評価方法】

授業参加度(20%)+中間レポート(30%)+期末レポート(50%)

【テキスト】

五島敦子・関口知子(2010)『未来をつくる教育ESD:持続可能な多文化社会をめざして』明石書店8章+プリント資料を適宜配布

【そ の 他】

多文化共生キーワード事典編集委員会編(2010)『多文化共生キーワード事典』明石書店

外国につながる子どもたちの物語編集委員会(2009)『まんがクラスメイトは外国人:多文化共生20の物語』明石書店

加藤周一(1976/2009)『日本人とは何か』講談社学術文庫

小熊英二(1995/2003)『単一民族神話の起源:<日本人>の自画像の系譜』新曜社

川上郁雄(2010)『異なる言語の間で育った子どもたちのライフストーリー:わたしも「移動する子ども」だった』くろしお出版