南山大学

 
指定
期間
春学期
単位
年次
1〜4
担当者
星 揚一郎
他の科目との関連
履修対象学科
副題 正義と平等 道徳哲学を概観する
授業概要  世界的な不況で国内の財政状況も悪化し、税制の本格的な見直しが迫られています。はたして、誰から、どれだけ、どのように税を徴収するのがフェアなのでしょうか。これは、経済や政策の問題である以前に、哲学にかかわる事柄です。本格的な格差社会の到来を前に、次代を担うみなさんとともに、この最重要課題を考えてみたいと思っています。そのために、授業では、まず、古代から現在までの道徳哲学の基本を、できるだけ平易な言葉と例で紹介します。
学修目標  欧米の倫理思想を自家薬籠中のものとしたうえで、各自の関心にしたがい自ら問題を立てて、レポートを作成することを目標とします(大学生に必要なレポートの書き方も伝授いたします)。レポートを作成することが、「自ら哲学してみること」にほかなりません。
授業計画 (時事的な問題により、多少、入れ替わりがあるかもしれないことを、予め、ご了承ください。少なくとも、以下の内容は講義に組み込みます。)
1、イントロダクション 「ベーシック・インカム(基本所得)」からの問題提起
2、ピーター・シンガーの功利主義
3、イギリス経験論、ジョン・ロックの所有論
4、ジョン・ロールズの自由主義 無知のヴェールと正義論
5、ロバート・ノージックの自由至上主義
6、アラスデア・マッキンタイアの共同体主義と「物語としての自己」
7、マイケル・サンデル ハーバード白熱教室の目指すもの
8、ソクラテスの「無知の知」
9、プラトンの「善のイデア」
10、アリストテレスの徳倫理学
11、ジャン・ジャック・ルソーの「一般意思」とイマヌエル・カントの「善意志」
12、ハンナ・アーレントの「対的対話」と「複数性」
13、ユルゲン・ハーバーマスの討議倫理学
14、アマルティア・センの「福祉と正義」とマイケル・ウォルツァーの解釈としての社会批判
15、レポート執筆指導—「自ら哲学してみること」の実践—
授業時間外の学習(準備学習など) 1.配布したプリント類を事前に読んでください。
2.関連した書物を積極的に読み、質問を準備してください。
3.期末のレポートを早めに準備し、指導を受けてください。
評価方法  授業に常識的な姿勢で参加された方にのみ評価を出します。授業中の姿勢・レポート(20%)と期末のレポート(80%)を総合的に判断します(レポートの評価基準も、授業で明示します)。
テキスト  ありません。適宜、プリントを配布します。図書館の指定図書も参考にしてください。
その他