南山大学

 
指定
期間
春学期
単位
年次
1〜4
担当者
青山 幹哉
他の科目との関連
履修対象学科
副題 武士の歴史
授業概要  武士の登場は日本列島上の歴史に大きな衝撃を与えた。この講義では、殺人という職能をもつ者たちが「侍」という身分を獲得した平安時代から、戦士かつ統治者としての役割が期待されるようになった鎌倉・室町時代、織豊政権による日本国再統一から江戸時代、さらには近代における「武士像」の形成までを見通して、他の東アジア諸国とは異なり、「武」を重んじるようになった日本社会の特質を考える。
学修目標  一つの歴史的事実に対して複数の学説が考えられることを理解し、広い視野から物事を多面的に考える力を養う。
授業計画 1.イントロダクション—職業軍人と戦士の違い
2.武士の始まり
3.京の武者・田舎の武者
4.院政と源氏・平氏
5.源平合戦—分岐点
6.鎌倉幕府の成立—公武併存
7.御恩と奉公、式目、家訓
8.室町王権による公武支配
9.戦国武将の戦い
10.「武威」の世界へ(上)
11.「武威」の世界へ(下)
12.「理非」か名誉か
13.武力制御の時代
14.武士消滅後の「武士」 像
15.まとめ
授業時間外の学習(準備学習など) 1.初回講義の出席に際しては、「武士」について自分のもっているイメージをまとめておく。
2.第2回以降の受講に際しては、前回の講義内容を確認し、質問事項を考えておく。
3.指示があれば、講義内容についての要約を小レポートとしてまとめる。
評価方法 学期末試験80%、課題小レポート20%で評価する。
テキスト な し
その他 以下に参考文献を挙げる。
福島正樹 『日本中世の歴史2 院政と武士の登場』吉川弘文館、2009年
A.ベネット『武士の精神とその歩み』思文閣出版、2009年
本郷和人 『武士から王へ』ちくま新書、2007年
氏家幹人 『サムライとヤクザ』ちくま新書、2007年
谷口眞子 『武士道考—喧嘩・敵討・無礼討ち—』角川学芸出版、2007年
菅野覚明 『武士道の逆襲』講談社現代新書、2004年
佐伯真一 『戦場の精神史—武士道という幻影』NHKブックス、2004年
下向井龍彦『日本の歴史07 武士の成長と院政』講談社、2001年
池上英子 『名誉と順応—サムライ精神の歴史社会学—』NTT出版、2000年
高橋昌明 『武士の成立武士像の創出』東京大学出版会、1999年
関 幸彦 『武士の誕生』NHKブックス、1999年
川合 康 『源平合戦の虚像を剥ぐ』講談社選書メチエ、1996年
元木泰雄 『武士の成立』吉川弘文館、1994年
千葉徳爾 『たたかいの原像—民俗として武士道—』平凡社選書、1991年
その他、授業の中で適宜紹介する。