南山大学

 
指定
期間
春学期
単位
年次
1
担当者
濱田 琢司
他の科目との関連
他学科履修
副題 芸術や音楽における表現と「日本らしさ」
授業概要  日本文化学には、例えば、「日本文化」とは何か?、「日本文化」の本質とは何か?、といったことを考えるというアプローチも存在します。一方で、そうした本質論ではなく、様々な場において、「日本文化」や「日本らしさ」の名のもとに、どのようなことが語られているのか?という点を考えるというアプローチも存在します。
 本講義は、後者のアプローチを採用し、主に、近現代期の日本の芸術表現、ポピュラーミュージックも含む音楽表現を事例として扱います。例えば、モダニズム建築の設計思想のなかにすり込まれた「日本的伝統」や古典音楽の近代化の過程、あるいはロックの日本語化の過程で検討された「日本らしさ」とは、いったいどのようなものであったのか?を考えます。こうした考察を通して、比較的卑近な事例の中に偏在する日本文化学の始点を意識し、また、対象に対して、どのような視点からアプローチすれば、それを日本文化学として分析することができるのかも同時に学びます。
学修目標  「日本文化学」とは、一面には、日本文化に関わる事象をなんらかの学術的見地に立って検討することであると捉えることができます。そこで、本講義は、芸術や音楽における表現と「日本らしさ」という対象に日本文化との接点を見出しつつ、様々にこれを論じていくことで、「日本文化学」としての考察の視点やその手法の一端を知ることを目的とします。
授業計画 1.はじめに─学問対象としての「日本文化」─
2.文化・芸術的表現についての研究を考える
3.文化・芸術的表現と「日本」についての外観
4.モダニズム建築と「日本らしさ」─アントニン・レーモンド(1)─
5.モダニズム建築と「日本らしさ」─アントニン・レーモンド(2)─
6.擬洋風建築と闖入者としての「日本的もの」
7.古典音楽の近代化と「日本らしさ」(1)
8.古典音楽の近代化と「日本らしさ」(2)
9.古典音楽の近代化と「日本らしさ」(3)
10.初期宝塚の試みと「新国民音楽」(1)
11.初期宝塚の試みと「新国民音楽」(2)
12.はっぴいえんどと「日本語ロック」の試み(1)
13.はっぴいえんどと「日本語ロック」の試み(2)
14.はっぴいえんどと「日本語ロック」の試み(3)
15.「日本文化学」とは何か?
授業時間外の学習(準備学習など) ・初回講義までに、文化・芸術的表現に関する問題と「日本文化学」の関わりについて考えておくこと。
・2回目以降の講義については、毎回、前回の講義内容を再確認しておくこと。
・事前にテキストを配布し、予習を促す回もある。その折は必ずそれに従うこと。
評価方法 定期試験が70%、講義中課題が30%
テキスト プリントを配布します。
その他