南山大学

 
指定
期間
春学期
単位
年次
2〜4
担当者
松田 京子
他の科目との関連
他学科履修
副題 台湾と日本の過去と今
授業概要 近代日本の歴史は、現在の日本の国境線内部にその範囲を限定しては、洩れ落ちてしまう多くの問題を抱えています。1945年までの日本は、東アジアを中心とした諸地域で植民地支配を行う「帝国」としての側面を有していました。本講義では、日本「帝国」初の本格的な植民地・台湾、そのなかでも圧倒的なマイノリティであった台湾先住民に対する諸施策に焦点をあて、植民地支配にかかわるメディアやイベントの役割や、植民地統治と「学知」の関連性を考察するという観点から、近代日本の対外関係史の特徴を論じていきます。そして、そのことが日本社会内部のアジア認識のあり方にどのような影響を与えたのかも、考察していきたいと思います。
学修目標 日本と台湾の関係史を通じて、近現代日本とアジアとの関係のあり方の特徴とその問題点について、理解することを目標とします。
授業計画 第1回     台湾の中の「日本」、「日本」の中の「台湾」
         —現在の交流のあり方と相互イメージー
第2回〜第3回 「異文化表象」に関する理論的考察
         ・E.サイード『オリエンタリズム』が提起した問題
         ・『オリエンタリズム』以降の理論的展開
第4回     ビデオスタディ1—「民族」を考える—
第5回〜第8回 植民地支配と「学知」
         ・台湾先住民調査と人類学的知
         ・台湾先住民政策と人種主義
         ・「台湾史」記述と植民地主義
第9回     日本「内地」の中の台湾イメージ1
         —『オセロ』翻案劇の中の台湾先住民—
第10回〜第13回 植民地支配と文化政策
         ・始政40周年記念台湾博覧会と台湾先住民
         ・台湾の観光開発と台湾先住民
         ・「原始芸術」という言説の展開
第14回     日本「内地」の中の台湾イメージ2
         —映画の中の台湾先住民—
第15回     ビデオスタディ2—台湾と日本の過去と今を考える—

※適宜、現在の台湾の写真や、植民地統治期の台湾の風景写真、絵はがき、雑誌の挿絵など、視覚資料の提示やビデオスタディを織り交ぜて、講義していきます。
授業時間外の学習(準備学習など) 1.「歴史を語ること」は、常にある種の「過去と現在の対話」という側面をもつため、特に東アジア—日本の関係性にかかわる時事問題には、充分な関心を払った上で、受講して下さい。
2.第2週以降のプリントは授業中に事前に配布します。授業中に行う指示に従って、それらの配布物を読み予習して下さい。
評価方法 講義への積極的参加(30%)、筆記試験(70%)
テキスト プリントを配布する予定。参考文献については、講義中に適宜、紹介します。
その他