南山大学

 
指定
期間
春学期
単位
年次
2〜4
担当者
辻本 裕成
他の科目との関連
他学科履修
副題 くずし字を読む
授業概要  くずし字を読めるようになりたい人に、その基礎を習得してもらう。日本における書物の歴史や、書誌学(書物の形態に関する学問)の入門的知識についても教授する。
 まだ活字化されていない資料を読むために、また活字化されている資料の元の姿を考えるために、くずし字を読むことは、是非とも身につけておきたい技術である。他大学の国文学系大学院に進学を希望する場合に、くずし字を読む技術が要求されることも多い。
 日本文化・文学を専攻しない人の受講をも歓迎する。ただし、本講義では歴史学で扱う文書(もんじょ)の類は扱わないので、了承されたい。
 実際の写本・版本を見る機会(できれば触る機会)も設けたい。
学修目標 1 簡単な漢字が混じった平仮名のくずし字を読めるようになる。
2 日本の古い書物の形態についての基礎的な知識を身につける。
3 書誌学への入門。
4 活字からではなく、原本をみて研究することの意味に気付く。
授業計画 1 イントロダクション くずし字を読めると何ができるか。.
2 くずし字入門 明治の活字本
3〜15 毎回、史料の写真をコピーしたプリントを配布し、解読の練習を行う。
 受講生は、テキスト(仮名手引)を持参して、友人と相談しながらでもいいので、プリントの解読に挑戦してほしい。後半は解説を加えながら答合わせを行う。
 また、史料に即して
  古典籍の形態
  冊子本の諸形態(本の綴じ方)
  紙の種類
  版本の形態と歴史 
  版本の各部位の名称
  古活字本(嵯峨本)
  写本に関する知識
  写本のさまざま
  古筆切と古筆手鑑
    などについて講義を行う。
授業時間外の学習(準備学習など) 宿題が出た時にはちゃんとやること。復習をきちんと行うこと。
評価方法 試験(持ち込み不可)が80%、小レポートが20%
テキスト 『増補改訂 仮名変体集』(新典社)伊地知鐡男編 368円
その他  講義期間中に名古屋近辺で、授業と関係がある展覧会が行われた場合には、見学を課題にすることがある。その場合は交通費、入館料を各自負担すること。