42507 演習I,II
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必 |
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春学期 秋学期 |
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加藤 隆浩 |
他の科目との関連 | |
他学科履修 | 不可 |
副題 | アンデス世界の先住民:インディヘニスモ再考 |
授業概要 | 2010年は、インカの空中都市マチュピチュが発見されて100周年記念にあたる。ところで、非暴力、高福祉、自然との調和は、現代を生きる我々の共通の理想である。それを15世紀に「実現した」と言われるのがそのインカ帝国である。このゼミは、文化人類学の関心が紛争・格差・自然破壊(人類の暗い側面)へと大きく傾くなか、その逆をゆく輝かしい社会に目をむけ、その理想が実際どこまで実践され、どの部分が空想かを検討する。もし、その一部であれ、現実に機能したのであれば、それがどのようなメカニズムに支えられたかを解析する。従来のインカ像は、権力の目の届く帝国の中心付近の小さな地域の記述を広大な版図全体に敷衍して得られたものであるが、このゼミでは、インカ世界の版図とそこに居住する諸民族すべてを「インカ化」してしまおうとする「インカ・グローバリゼーション」に、地方がどのように抗したかに注目しその実像に迫るのを目的としている。 |
学修目標 | ラテンアメリカの社会と文化を徹底的に学び、ラテンアメリカ研究をすすめるための基礎を作る。 |
授業計画 | アンデス民族史を再検討する。 1−2.遺物、クロニカ、民族誌 3−4.プレスコット、ミーンズ、ローのインカ論 5−6.ルイ・ボーダンの社会主義的帝国主義論 7−8.コペルニクス的転回と地方公文書 9−10.垂直統御の虚構と実像 11−12.互酬と再分配 13−14.セケ・システムのからくり 15. まとめ |
授業時間外の学習(準備学習など) | 与えられた宿題をきっちりこなしてくること。 |
評価方法 | ゼミへの貢献度(90%)、レポートの内容(10%)。 このゼミへの参加者は手もとのデータを全員で分担して読み、発表を通して資料を共有する。同時に、これまでの文化人類学で鍛えられてきた研究法を使ってそれらを分析する。 なお、卒業論文のテーマは「インディヘニスモ」にこだわることなく、学生各自の関心に合わせて決定してよい。このゼミのなかで明らかになるはずだが、ラテンアメリカの文化人類学的大地は丸く、結局どの方向の地平に見える事象も回りに回って最終的には結びつくことになるから。 |
テキスト | プリントを配布する。 |
その他 | 註:欧文の膨大な資料(平易なものばかりですが)があるので、かなりの量を読んで訳してもらいます。 註:毎週、スペイン語の試験を行います。 また、読解力を付けるために夏休み・冬休みの宿題もあります。覚悟がいります。 |