南山大学

 
指定
期間
秋学期
単位
年次
2〜4
担当者
岡地 稔
他の科目との関連
他学科履修
副題 成立期ドイツ・国王選挙の歴史
授業概要  ドイツはフランスとともにカロリンガー・フランク王国の継承国家として登場してくるが、歴史の展開は初めから「フランクからドイツ・フランスへ」という流れを用意していたわけではない。9世紀末〜10世紀、フランク国家が解体していく過程においては、国家形成の点で実際にはさまざまな可能性があり、そうした可能性の中から最終的に「ドイツ」「フランス」生成への歴史的展開を見たというのが実状である。本講義ではそうした展開を確認する一つの有効な方法として、国王選挙の分析をおこなう。一国の最高権力者を選び出す国王選挙には、その時々の権力をめぐる問題、権力のありようの問題、等が集中的・象徴的に現れており、生成期ドイツ国家を考える上で格好の材料となる。加えて9世紀末〜10世紀初におこなわれた「ドイツ国王選挙」は、史料をどう扱うかという問題においても、興味深い例を提供し、史料批判・分析の方法を学ぶ上でも有効な例となろう。
学修目標 1.歴史の動力学について理解を深める。
2.史料批判・分析のありかたについて学ぶ。
授業計画 下記の予定で全15回の授業を行う。
1.中世史研究における国王選挙—何故、国王選挙を研究するのか(1回)
2.解体期フランクにおける権力構造(1回)
3.コンラート1世国王選挙
  3—1.カロリンガー王統の断絶と東フランクの進路(1回)
  3—2.史料、事実関係、および研究史上の問題点(2回)
  3—3.検討 コンラート1世国王文書第1番(DKI1)・文書認証者(3回)
  3—4.事後承認説・事前選挙説(2回)
  3—5.史料問題:『モンツァ本アレマニエン年代記』のテキスト構造(4回)
  3—6.まとめ(1回)
授業時間外の学習(準備学習など) 最初の授業のさいに挙げる参考文献等を通して、時代状況についてある程度の知識・見通しをもてるようにしておくこと。
評価方法 定期試験により評価する(100%)。
テキスト テキストは用いず、適宜プリントを配付する。
その他