南山大学

 
指定
期間
春学期
単位
年次
2
担当者
松戸 庸子
中 裕史
小林 寧子
宮原 佳昭
森山 幹弘
蔡 毅
周 錦樟
他の科目との関連
他学科履修 不可
副題 アジア研究の方法
授業概要 3・4年次の演習履修に向けて、アジア研究に必要な方法論上の基本知識を習得する。前半では、文献の読み込みや映像資料を視聴して得たデータを分析する力を養う。自ら資料収集を行いデータの整理をして発表しあう。後半は、講義形式で各教員がそれぞれの方法論がどのように適用されているのかを提示する。
学修目標 1.アジア研究の方法論に関する基本的知識を学ぶ。
2.ひとつの問題を考えるのに複数の視角があることを学ぶ。
3.入門演習で習得した発表技術を向上させる。
授業計画 前半は次の教員による方法論を中心とした演習形式の講義。
松戸:社会運動と民主化(挫折も含む):中国を事例として
1.解題:天安門事件が中国現代史上で持つ意味
2.現代中国史概観:ビデオ(BBC制作:「中国人民の解放」)などの視聴と討論
3.〜7.関係資料(新聞記事、ビデオ、論文抜粋)輪読や討論
8.総括討論
  教材として使用する資料は随時配布する。最後にレポートを提出する。

中:「魯迅の小説を手がかりに中国を考える」
1.魯迅が生きた近代中国 (課題レジメ:清末民初の中国)
2.『狂人日記』と魯迅  (課題レジメ:魯迅の日本留学)
3.『狂人日記』の構成  (課題レジメ:口語と文語をめぐる問題または『狂人日記』の比較)
4.『狂人日記』のテーマ (レポート:『狂人日記』を読み解く)
5.『狂人日記』のまとめと『阿Q正伝』の周辺
6.『阿Q正伝』の主人公 (課題レジメ:阿Qの人物像)
7.『阿Q正伝』のテーマ (レポート:『阿Q正伝』を読み解く)
8.『阿Q正伝』のまとめ
  なお、課題レジメとレポート(1000字)は次回授業で討論の材料として使用するのでその前々日までに提出すること。

小林:戦後日本のアジア外交を考える
1.日本のアジア外交概観
2.「アジア」の誕生と冷戦
3.バンドン会議と日本のジレンマ
4.日本の賠償とインドネシア
5.マレーシア紛争をめぐる日英の確執
6.9・30事件:戦後アジアの転換点
7.アジア冷戦の溶解:米中接近と「中国問題」
8.総括討論
 第2回からテキスト担当者がレジュメを準備する。また、毎回「討論者」をたてて、議論を喚起する。
 最後にレポート提出。
 テキスト:宮城大蔵『「海洋国家」日本の戦後史』
 (ちくま新書、2008年、720円+税)

宮原:近代の日中関係を孫文とアジア主義から考える
1.アジア主義とは何か (小レポート作成)
2.孫文の「大アジア主義」講演の時代背景 (小レポート作成)
3.孫文の生涯 (小レポート作成)
4.孫文の思想—とくに「民族主義」を中心に—
5.6.大アジア主義」講演の内容と解釈(小レポート作成)
7.近代日本のアジア主義と孫文(小レポート作成)
8.まとめ
 ※第2・3・5・7回では、事前に小レポートを作成・提出してもらい、授業中の討論に用いる。
 テキスト:孫文『三民主義(抄)ほか』(中公クラシックス、2006年、1600円+税)

後半は次の教員による講義。
9.〜11. 森山:多言語社会インドネシアにおける言語政策 
12.13. 蔡:中国文化の研究方法
14.15. 周:対照言語学入門
授業時間外の学習(準備学習など) 各担当者の指示にしたがって、与えられた課題をこなし、授業前に提出する。
評価方法 授業参加度(50%)、レポート(50%)。各担当者が点数化したものを平均して評価する。
テキスト プリント等を配布。
その他