南山大学

 
指定
期間
通年
単位
年次
3
担当者
赤壁 弘康
他の科目との関連
他学科履修 不可
副題 テキストで読み解こう、経営・経済の最新トピックス
授業概要  書物をていねいに読み込むことで、デリバティブ(派生証券)の評価に見られるようなファイナンスや金融工学の考え方を学習しようというのが、本ゼミナールの狙いです。具体的なテキストは受講者の皆さんと相談のうえ決めたいと思いますが、日経文庫のような入手しやすいものから選びたいと思います。(ただし以下のテキスト選択実績に示されているとおり、受講者のみなさんが希望する場合には、ファイナンス以外のテーマの本を取り上げることもあります。) みなさんが選んだテキストを丁寧に読み込むことになります。
 近年、インターネットやコンピュータの普及で簡単に情報が取り出せるようになって、本を読み込むという作業が私自身も含めますます疎かになっています。「読めなければコンピュータにも入力できない」という当たり前の事実を皆さんとともに再認識するため、自戒をこめてこのような演習内容を選びました。同時に、「読み」を「書く」という作業に結びつけるため、学年末にはゼミ・レポートを提出してもらいます。このゼミ・レポートの内容を発展させて、4年次で各自の卒業論文を完成させるものとします。本ゼミナールの本当の狙いはこちらにあります。
学修目標  「読み」を「書く」という作業に結びつけ、論理的・説得的に思考し、論旨を展開できるようになることを目指します。この作業の最終的成果として、ゼミレポートを作成・完成させます。 次年度の経営演習IIでは、このゼミ・レポートの内容を発展・深化させることによって、卒業論文を完成させるものとします。したがって、2年間研究するに値するテーマを見つけるように心がけてください。
授業計画 (1)日々の授業はテキスト輪読が中心です。テキストでは十分に説明されていない定理の証明や練習問題もできるだけ飛ばさずにフォローするつもりです。テキストの内容に関連する発展的話題も提供します。このために必要な簡単な数学も同時に学習します。
(2)ゼミ・レポート作成のために、各自で興味のある具体的なテーマを見つけます。ゼミレポートに関しては、中間報告と最終報告の2回のプレゼンテーションを義務付けます。このために、日々の輪読(1)とは別に、レポート報告会を設定します。
第1回〜第30回 テキスト輪読(発表・報告、小テスト)
そのうち
第4回 ゼミレポート題目・概要発表会
第13・14・15回 ゼミレポート中間報告会
第28・29・30回 ゼミレポート最終報告会
授業時間外の学習(準備学習など) 1.ゼミレポート作成のための文献調査収集
2.中間報告、最終報告のためのプレゼン資料作成
3.ゼミレポートの作成
評価方法  何らかの方法で出席者全員に毎回必ず報告・発言を求めます。出席に自信のない人は、当ゼミナールの履修を見合わせたほうがよいでしょう。学年末のゼミ・レポートに関しては、中間報告と最終報告の2回のプレゼンテーションを義務付けます(レポート報告会を設定します)。出席、ゼミ・レポート報告会での報告、年末レポート提出が単位修得のための必要条件です。レポート55%、授業参加度+レポート報告45%
テキスト  受講者のみなさんと相談のうえ決定します。参考までに過去のテキスト選択実績を列挙します。
 2005年度生
   1.高野史枝『よみがえれ城下町—犬山城下町再生への取り組み』風媒社
   2.矢作弘『大型店とまちづくり—規制進みアメリカ、模索する日本—』岩波新書
   3.西村清彦(監修)『地域再生システム論』東京大学出版会
   4.大竹文雄(編)『こんなに使える経済学—肥満から出世まで』ちくま新書
 2006年度生
   1.北村慶『「温暖化」がカネになる』PHP研究所
   2.小島寛之『エコロジストのための経済学』東洋経済新報社
 2007年度生
   1.テレビ東京報道局『日経スペシャル ガイアの夜明け 経済大動乱』日経ビジネス人文庫
   2.テレビ東京報道局編『日経スペシャルガイアの夜明け ニッポンを救え』日経ビジネス人文庫
   3. 相田洋ほか『マネー革命(2) 金融工学の旗手たち』NHKライブラリー

 2008年度生
   1.M. リンストローム『買い物する脳 驚くべきニューロマーケティングの世界』早川書房
   2.衣田高典『行動経済学 感情に揺れる経済心理』中公新書
その他  テキストの内容が「金融工学」に関連するものになるかもしれないので、このようなトピックス(とテキストに表れる簡単な数学)に関心のある人が望ましいです