南山大学

 
指定
期間
通年
単位
年次
2
担当者
中谷 実
他の科目との関連
他学科履修 不可
副題 憲法——遠いようで近いもの
授業概要  憲法は、市民生活のルールというよりも、国家自身の枠組、国民の生き方の枠組という性格をもつため、民法や刑法の学習と比べて身近な問題のようには感じられないかもしれません。しかし、憲法の学習は、選挙権の平等や住民投票の問題等、主権者国民にとっての重要な問題を扱う他、信仰、校則、IT社会におけるプライバシーの問題、地球市民時代における外国人の人権をはじめとして、私たち自身の生き方と密接に関係してくる様々な問題を扱います。国家自身の枠組、国民の生き方の枠組といっても、必ずしも明確なものではありません。そこで、学説や判例がそれをはっきりさそうとするのです。憲法の面白さは、はっきりとしないところにあるのかもしれません。
 授業の進行は、数人で組をつくり、テキストの担当部分およびこれと関連する主要判例をレジメにまとめ、ゼミで報告し、議論する、という通常のパターンです。テーマは、テキストから、自由に選んでもらいます。組にはリーダーを置きます。報告テーマは、学期のはじめに決めますが、直前に確認のため、リーダーにメールを送ります。リーダーは、各組のメンバーにそれを伝えます。予習は、とても重要です。15分でも予習しておくのとしないのでは、全く学習効果が違います。テキストは、中村睦男編『はじめての憲法(2版)』三省堂 2600円です。はじめての・・・・と書いてあるので、簡単かというとそうではありません。結構ハイレベルで、3年次以降も十分使用できます。その中から自由にテーマを選択し、報告してもらおうとおもっています。出席は重視します。レポート提出は、2回です。夏休み後のレポート提出の後、1人数分で、口頭でプレゼンテイションしてもらいます。
学修目標  本演習では、憲法の具体的問題の学習を通じて、憲法が日々の生活と密接に関係していることを学びながら、将来、公務員試験や法科大学院の入試にも役立つ知識も得ようと考えています。真面目に勉強すれば、必ず役立ちます。暗記も重要ですが、丸暗記ではなく、原理を考えたあとの暗記が重要です。
授業計画 春学期
第1講 イントロダクション
第2講 憲法の意味
第3講 基本的人権の保障
第4講 外国人の人権
第5講 人権規定の私人間効力
第6講 幸福追求権
第7講 法の下の平等
第8講 信教の自由と政教分離
第9講 表現の自由
第10講 検閲と事前抑制
第11講 経済的自由
第12講 生存権と社会保障制度
第13講 教育を受ける権利
第14講 刑罰・刑事手続と憲法
第15講 まとめ
秋学期
第1講 選挙権の平等と選挙制度
第2講 国会と立法権
第3講 議院内閣制と衆議院の解散
第4講 裁判所と司法権
第5講 違憲立法審査制
第6講 地方自治
第7講 平和主義
第8講 国民主権
第9講 テーマを自由に選択
第10講 テーマを自由に選択
第11講 テーマを自由に選択
第12講 テーマを自由に選択
第13講 テーマを自由に選択
第14講 テーマを自由に選択
第15講 まとめ
授業時間外の学習(準備学習など) 次回することがわかっているので,予習すること。
評価方法 授業参加度が60%、レポートが40%
テキスト ●中村睦男編『はじめての憲法(2版)』三省堂 2600円
○中村睦男他編『教材憲法判例』(北海大学版会、2008、2900円)
(図書館にある他の判例集を用いてもいい)
その他