南山大学

 
指定
期間
通年
単位
年次
3・4
担当者
佐藤 勤
他の科目との関連
他学科履修 不可
副題 金融規制法研究
授業概要  金融は、経済活動における血液の働きを担う重要な機能を有する。わが国日本においては、戦後70余年にわたり、銀行の預金および貸出を通じた「間接金融」が中心であった。
 しかしながら、業際規制をはじめとした規制緩和や金融の自由化のなか、金融自体が預金や貸出という伝統的な金融手法を通じた金融から、企業が市場から株式や社債という金融商品を通じた金融、すなわち「直接金融」あるいは「市場型間接金融」へ変化していった。それにともない、金融機関も多種多様な金融サービスを提供することができるようになった。
 本演習では、このような変革を遂げた金融を規制する法律を議論する。
 本演習は、各テーマごとに担当者を決め、当該担当者の調査し、検討した内容をもとに議論を行う。
学修目標 以下の事項の修得を目標とする。
1.金融制度の理解
2.各種金融機関の機能と特色
3.金融規制のあり方
授業計画 1 ガイダンス
2 金融規制法の基礎知識(講義)
3 金融の基本(1)
4 金融の基本(2)
5 金融の基礎(3)
6 講義
7 市場規制
 ・インサイダー取引規制など
8 銀行の業務範囲(子会社規制を含む)
9 協同組合組織金融機関とその規制
 ・種類、根拠法、意義、業務範囲規制、銀行との規制の相違など
10 銀行業の参入規制
 ・株主規制(主要株主規制ほか)、兼職規制など
11 セーフティネット(銀行)
 ・システミックリスク、預金者保護、破綻処理、早期是正措置など
12 健全性維持規制(銀行)
 ・自己資本比率規制(BIS)、大口信用供与規制、株式保有規制
13 監督規制(銀行、金融商品取引業)
 ・歴史、監督機関、監督行政、自主規制機関、自主規制
14 ノンバンク規制
 ・消費者金融業、改正貸金業規制法、出資法、利息制限法
15 金融商品取引業
 ・種類、業務範囲、参入規制、
16 金融商品取引業規制
 ・投資勧誘規制(顧客保護、説明義務ほか)
17 健全性維持規制
 ・財務の健全性(顧客の分別金管理、投資者保護基金)ほか
18 資産運用業
 ・種類、業務範囲、規制
 ・投資信託の仕組み・規制(組成・販売)
19 業際問題
 ・歴史、規制概要、業態別子会社
20 信託
 ・信託の仕組み、信託業規制
21 金融機関グループ規制
 ・ファイアーウォール規制、情報管理規制、利益相反規制
22 電子マネー、前払式支払手段
 ・種類、法的仕組み
 ・規制
23 資金決済制度
 ・全銀システム、日銀当座預金、手形交換制度、
 ・セーフティネット
24 証券決済制度
 ・東京証券取引所における証券決済制度(株式等)、国債の決済
 ・セーフティネット
25 資金決済業務
 ・資金決済業の種類、規制
26 銀行の取締役の善管注意義務
 ・長銀事件、拓銀事件、日債銀事件
27 金融犯罪
 ・浮貸し、導入預金
 ・利殖商法・預り金(出資法)
28 金融ADRとは
 ・規制概要
29 格付制度
 ・意義
 ・規制概要
30 新商品規制
 ・ファンド、デリバティブ、証券化商品
授業時間外の学習(準備学習など) 【授業計画】を参照して、【テキスト】において指定した参考書の該当部分を予習しておくこと。
評価方法 報告内容・報告50%、議論への参加態度20%、レポート30%により、評価する。
テキスト 川口恭弘『現代の金融機関と法』(中央経済社、2008年)
なお、参考文献として西村あさひ法律事務所『最新金融レギュレーション』(商事法務、2009年)
その他