92406 統語論概論
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選 |
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春学期 |
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2 |
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1・2 |
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斎藤 衛 |
講義題目 | |
開講キャンパス | |
授業概要 | 原理とパラメターの体系としての統率・束縛理論(Chomsky 1981, 1986)を検討する。特に、X’ 理論の提案、格理論と束縛理論によるNP移動現象の説明、格理論に端を発した統率理論の展開、さらに、Chomsky 1986において提示されたX’ 理論の再定式化、統率理論と境界理論の統合について詳しく論じる。英語のデータを中心に授業を進めつつ、適宜、日本語のデータも取り上げて、比較統語論的視点からの考察を行う。講義を主とするが、受講者には、自発的に関連文献を読み、主体的に授業に参加することが望まれる。 |
学修目標 | 統率・束縛理論のメカニズムだけではなく、理論的背景と歴史的発展のプロセスを学ぶことにより、現在の統語論研究を的確に理解し、理論の発展に寄与する独創的な研究を行うための基礎を身につける。 |
授業計画 | 1 生成統語論の目的と方法 2 句構造規則とX’ 理論(Chomsky 1971) 3 移動現象:演算子移動、NP移動、右方移動、主要部移動 4 島の制約と下接の条件(Chomsky 1975) 5 束縛理論(Fiengo 1974) 6〜7 格理論と統率:例外的格付与をめぐって 8 束縛原理(A)、(B)によるPRO定理の説明 9〜11 空範疇原理(Huang 1982, Lasnik and Saito 1984) 12 Stowell 1981のCP仮説 13 X’ 理論の再定式化 14〜15 統率理論と境界理論の統合 |
授業時間外の学習(準備学習など) | 句構造規則、下位範疇化、変形規則等、統語分析の基礎について、事前に復習しておくこと。学期中は、受講者が、授業の復習をするだけではなく、自発的に関連論文を検討して考察を深めていくことが期待される。 |
評価方法 | 授業への貢献20%、レポート80% |
テキスト | (参考文献) Chomsky, Noam. (1981) Lectures on Government and Binding. Mouton de Gruyter, Berlin. Chomsky, Noam. (1986) Barriers. MIT Press, Cambridge, Mass. |
その他 | 予備知識を前提とする。学部レベルの統語論の適切な専門科目、または、「日本語文法論A」か「英語文法論A」のいずれかをすでに履修していることが登録の条件となる。予備知識に不安がある場合は、担当者に相談すること。 |