南山大学

 
指定
期間
夏期前半
単位
年次
1・2
担当者
高野 祐二
斎藤 衛
講義題目 日本語分析と統語理論研究
開講キャンパス
授業概要  現在の統語理論は、主要には、ヨーロッパ諸語の分析に基づいて提案された経緯がある。従って、ヨーロッパ諸語とは異なる性質を多く有する日本語の分析は、理論を大きく発展させる可能性を孕む。本講義では、このような視点から特に重要と思われる日本語の現象をいくつかとりあげ、詳細に検討する。
 前半は、文法格に焦点をあて、二重目的語、主格目的語、例外的格付与等の現象を扱う。後半では、名詞句の構造と解釈を主要なテーマとして、空項、遊離数量詞、属格の文法的役割に関する諸問題について論じる。
 受講者は、事前に関連する論文を読み、積極的に討論に参加することが期待される。
学修目標 日本語統語論の理論的課題を的確に把握し、研究に貢献しうる力を身につけることを目標とする。
授業計画 1.  統語理論における文法格の位置付け
2.  日本語の文法格
3〜5.二重目的語文の構造:テキスト Chapter 16
6〜7.主格目的語:テキスト Chapter 6
8.  例外的格付与現象
9.  分裂文の構造:テキスト Chapter 5
10〜11.項削除現象:テキスト Chapter 15
12.  遊離数量詞:テキスト Chapter 11
13〜14.日本語の名詞句構造:テキスト Chapter 18
15.  属格の文法的役割
授業時間外の学習(準備学習など) テキストに収録されている論文の中から数編を選び、目を通しておくこと。
評価方法 討論への参加(貢献)50%、論文50%
テキスト Miyagawa, S. and M. Saito (2008) The Oxford Handbook of Japanese Linguistics, Oxford University Press, New York.
 これに収録されている論文数編に加え、他の論文も参考にしながら、講義を進める。
その他 予備知識を必要とするので、履修者は、「統語論概論」をすでに履修しているものに限る。