南山大学

 
指定
期間
秋学期
単位
年次
1・2
担当者
大宮 有博
講義題目 アメリカ・キリスト教の歴史
開講キャンパス
授業概要  キリスト教(特にプロテスタント)の歴史は、アメリカ合衆国を知るための重要な知識である。ヨーロッパ人が北アメリカ大陸にやってきて以来、キリスト教(特にプロテスタント)は、アメリカの精神文化を作ってきただけではなく、政治にも大きな影響を及ぼしてきた。また、人種的少数者や性的少数者に対する差別や「強い国」への道も、実はキリスト教が支えているとも言える。このクラスではアメリカ・キリスト教の歴史を、教会と社会の関係に焦点をおいて概観する。
 今年度の授業は二部構成とする。前半部分ではアフリカン・アメリカンのキリスト教に着目しながら、アメリカ・プロテスタント・キリスト教史の流れを概観する。後半部分ではマーティン・ルーサー・キングJr.の思想を検討する。
学修目標 1.アメリカで形成されたキリスト教は、近現代のキリスト教自体の姿も変えた。アメリカのキリスト教を知ることは、現代のキリスト教についての理解も深める。
2.アメリカに入ったキリスト教は、「アメリカの精神」を築いた。それは、マジョリティーだけではなく、マイノリティーの文化にも同様のことが言える。アメリカのキリスト教をとおして、アメリカ文化の周縁部にもアプローチする。
3.現代のアメリカの政治や文化に、キリスト教がどのような影響を及ぼしているかを探り、現代のアメリカ像をイメージできるようにする。
4.市民宗教・教派主義・リバイバリズムなど、アメリカの宗教を学ぶために必須の用語を理解し、批判的に用いることができるようにする。
授業計画 1.アメリカ宗教史入門〈市民宗教・教派主義〉
2.アフリカン・アメリカンの宗教とキリスト教の伝道
3.リバイバルと奴隷解放運動
4.アフリカン・アメリカン教会
5.伝道する教会〈先住民伝道の歴史とアジア系移民に対する伝道〉
6.社会進化論と社会福音
7.ファンダメンタリズムの勃興
8.二つの世界大戦とキリスト教
9.21世紀のキリスト教
10.マーティン・ルーサー・キングJr. の思想の系譜
11.マーティン・ルーサー・キングJr. の愛敵論
12.マーティン・ルーサー・キングJr.の平和論
13.黒人解放の神学+ウーマニストの神学
14.コーネル・ウエストの哲学
15.総括+ファイナル・ペーパーの発表会
授業時間外の学習(準備学習など) ・『アメリカのキリスト教がわかる』の通読(10月末までに確認シートを提出)
・授業内発表(最低1回、内容は授業中に指示する。)
・ファイナル・ペーパーの作成(締め切りは授業中に指示する。)
評価方法 授業参加度30%、確認シート10%、学期末レポート60%として評価
テキスト 『アメリカのキリスト教がわかる』キリスト新聞社、2006年。
その他