93105 アメリカ民族集団・人種関係研究
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選 |
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春学期 |
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2 |
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1・2 |
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川島 正樹 |
講義題目 | 「人種」と「エスニシティ」に焦点を当てたアメリカ史の多文化主義的再解釈の試み |
開講キャンパス | |
授業概要 | アメリカ合衆国はその成り立ちから、近代史において極めて独特な位置を有し、南北アメリカ地域のみならず世界的にも、政治・経済・文化において無視しえない影響力を及ぼしてきましたし、21世紀の幕開け後の現在も及ぼし続けています。本講義では歴史的アプローチによって、実質的に唯一の超大国として君臨し続けるという意味でも重要度が高いアメリカ合衆国を対象とした地域研究を試みます。アメリカ史を特徴付けてきた「人種」「エスニシティ」「ジェンダー」、そして「階級」が交錯する「アイデンティティ」の問題、さらに「民主主義」制度における「正義」や「公正」の実現の可能性の前に横たわる本質的問題に焦点を当てます。 |
学修目標 | 植民地時代における奴隷制の確立に至るまでの諸段階と、南北戦争と奴隷制の廃止後に再生する隔離体制の成立過程に焦点を当て、「人種」の構築/再定義と「アメリカニズム」の関係の解明を目指します。 |
授業計画 | 下記のように「はじめに」に続いて、奴隷制の成立過程と、奴隷制廃止後の隔離体制の再生過程の考察を内容とする二部構成で授業を行います。 「はじめに」(授業全体の概説的説明 歴史的構築物としての「人種」と普遍的信条体系としての「アメリカニズム」の関係について) 第一部:奴隷貿易と「近代」の幕開けと英領北米植民地の奴隷制(「人種」偏見が先か、奴隷制が先か? (1〜7回)奴隷貿易の発展・奴隷制の確立と英領北米植民地における経済・政治的発展との関係) 第二部:「ジムクロウ」体制に関するウッドワード説をめぐる論争(「連続」説か、「非連続」説か? (8〜14回)南部「再建」は「未完の革命」だったのか?) (15回)「まとめ」(「多文化主義的アメリカ」における「アメリカニズム」の発展と「人種」の構築/再定義) |
授業時間外の学習(準備学習など) | 授業計画を参照して、テキストの該当部分の予習をしておくこと。 |
評価方法 | 第一部および第二部のテキスト各章が終わるごとに提出される「要約/感想」のレポートと、50%第一部および第二部の終了時に提出されるレポート、50%、による。 |
テキスト | 川島正樹編『アメリカニズムと「人種」』(名古屋大学出版会、2005年)。 Edward Countryman, ed., How Did American Slavery Begin? (St. Martin's, 1999). John Davis Smith, ed., When Did Southern Segregation Begin? (St. Martin's, 2000). |
その他 | 洋書も含めてテキストはできるだけ授業開始日までにインターネット等で各自で購入してください。不明な点は相談に応じます。 |