南山大学

 

【科目コード】97516

【科目名称】ファイナンス基礎

【担当者】山下 忠康

【単位数】2                    【配当年次】1                【開講期】春学期

 

【授業概要】

本科目は、ビジネスの基本職能の一つであるファイナンスの重要概念を理解し、実際のビジネスにおいて自ら活用できるようになることを目標とする。取り扱うテーマとしては、リスク、割引現在価値、キャッシュフロー、資本コストなどの投資意思決定に関する重要概念の他、企業価値評価、資金調達方法、配当政策や自社株買いなどコーポレート・ファイナンスの基本となる領域に重点を置く。授業形式は講義の他、実際の事例を活用したケーススタディ方式の演習(クラスディスカッション及びグループ報告を含む)により、習得した知識の再確認および定着化を図る。

【到達目標】

   ファイナンスの基本的な考え方、重要概念を理解し、その知識を活用できるようになること、財務的意思決定、特に投資案件や企業価値の評価(バリュエーション)に関する実践能力を高めることを目標とする。

【授業計画】

1.          イントロダクション

    (1) 企業経営におけるファイナンスの役割 

(2) 企業(株式会社)の財務目標

(3) 経営者、財務担当者(CFO)の役割

  2.  プロジェクト評価の基礎(1)

    (1) プロジェクト評価のフレームワーク 

(2) リターン 

(3) リスク

(4) 証券投資と実物投資の関係

  3.  プロジェクト評価の基礎(2)

    (1) 現在価値・将来価値 

(2) キャッシュフロー(フリー・キャッシュフロー) 

(3) 資本コスト(CAP、ベータ、ポートフォリオ理論)

  4.  プロジェクト評価の基礎(3)

    (1) 正味現在価値法(NPV)

(2) 内部収益率法(IRR)

(3) その他の評価方法(回収期間法、リアル・オプション・アプローチなど)

  5.  企業評価の基礎(1)

    (1) 企業評価のフレームワーク

 (2) WACC(加重平均資本コスト)

  6.   企業評価の基礎(2)

    (1) 株主価値創造経営

 (2) 各社の取組み(VA経営) 

  7.  企業評価の応用(M&A)

    (1) M&Aの現状

 (2) 買収価格、合併比率の決定

 (3) 買収防衛策と取締役の役割

  8.  資金調達

    (1) 資本構成問題

 (2) 資金調達方法(増資、社債、借入)

 (3) 社債格付け

  9.  配当政策

    (1) 配当政策

 (2) 自社株買い

  10.  中間試験

    (1) 9回までを範囲とする筆記試験

  11.  投資決定に関するケーススタディ

    (1) わが国のA業界の事例分析 

 (2) 学生による報告、クラス討議

  12.  企業評価に関するケーススタディ

    (1) わが国のB業界の事例分析

 (2) 学生による報告、クラス討議

  13.  財務破綻に関するケーススタディ

    (1) わが国のC業界の事例分析

 (2) 学生による報告、クラス討議

  14.  全体のまとめ

    (1) 各回のまとめと補足 (1)

  15.  全体のまとめ

    (1) 各回のまとめと補足 (2)

【授業時間外の学習(準備学習など)】

初めてファイナンスを学ぶ者は、授業の前準備として、下記の入門書を一読されていることが望ましい。

砂川伸幸『コーポレート・ファイナンス入門』日本経済新聞社、2004

【評価方法】

筆記試験 50

    講義期間中(第10回)に行う中間試験

提出物 40

    期末レポートの提出等

   授業参加度 10

    授業中のディスカッションへの参加態度や発言内容

【テキスト】

特に指定しない。参考文献をベースとした資料を毎回配布する。

【参考文献】

藤井真理子・国枝繁樹監訳『コーポレート・ファイナンス 第8版(上・下)』日経BP社、2007

伊藤邦雄『ゼミナール 企業価値評価』日本経済新聞社、2007

砂川伸幸『コーポレート・ファイナンス入門』日本経済新聞社、2004

【備考】

   毎回、関数電卓を持参のこと。