南山大学

 

【科目コード】97665

【科目名称】ラーニングと知識創造

【担当者】安藤 史江

【単位数】2                    【配当年次】12    【開講期】秋学期

 

【授業概要】

本科目では、組織におけるラーニング(組織学習)プロセスの促進要因や阻害要因を一つ一つ学習しながら、組織学習メカニズムについての理解を深めていく。また、各要因の影響を短期・長期に分けて比較したり、組織のライフスタイルや規模の違いを考慮するなど、多面的に組織現象を考察するスキルを磨くことも、目的としている。授業では、ディスカッションが重視されるため、事前に配布もしくは指定した文献や資料の予習は必須である。授業の中で、学習する組織づくりに必要とされる簡単なスキル・トレーニングをいくつか試みる。最終的には、ラーニングや知識創造の評価・測定に関する簡単な実習も行う予定である。

【到達目標】

   組織学習に関する基本的なプロセスやメカニズムの理解を目指すとともに、組織学習研究を取り巻く諸研究との関係性についての基礎知識を得ることを目標とする。また、組織学習状況について簡単な評価や測定が行えるようになることも目標の一つとしている。

【授業計画】

1.         組織学習研究の歴史

(1)研究目的 (2)発展過程 (3)さまざまな応用範囲 (4)現状と課題

2.         組織学習とは何か

(1)組織学習の定義 (2)個人学習との違い (3)組織学習プロセスの基本

(4)組織学習の実像

3.         ナレッジ・マネジメントとリソース・ベースド・ビュー

(1)ナレッジ・マネジメントとは (2)リソース・ベースド・ビューとは

(3)組織学習研究との関係性

4.         組織学習と「学習する組織」

(1)学習する組織とは (2)両者の関係性と比較 (3)スキル・トレーニング

5.         フェーズ1:知識の獲得その1

(1)知識・情報の獲得源 (2)獲得の仕組みと吸収能力

(3)獲得に関する促進要因と阻害要因

6.         フェーズ1:知識の獲得その2

(1)一皮むけた体験 (2)システムづくりへの応用

7.         1回目の課題についての復習ディスカッション

<受講者より提出された課題を添削・評価したうえで、受講者全員でそれを共有し、さらなる改善点を求めてディスカッションを行う>

8.         フェーズ2:知識の解釈その1

(1)解釈システムとしての組織 (2)様々な解釈モード (3)多様性と創造性

9.         フェーズ2:知識の解釈その2

(1)メタファーの利用 (2)解釈に関する促進要因と阻害要因

10.   フェーズ3:知識の移転その1

(1)受信能力と発信能力 (2)移転のスピード (3)組織内移転 (4)組織間移転

11.   フェーズ3:知識の移転その2

(1)実践コミュニティ (2)知識ネットワーク (3)戦略的提携

12.   フェーズ4:知識の蓄積・記憶

(1)組織ルーティン化される知識 (2)有能性の罠

13.   フェーズ4:知識の取り出し・再現

(1)再現性からみた知識の種類 (2)即興

14.   2回の課題についての復習ディスカッション

<受講者より提出された課題を添削・評価したうえで、受講者全員でそれを共有し、さらなる改善点を求めてディスカッションを行う>

15.   組織学習プロセスのまとめ

【授業時間外の学習(準備学習など)】

   各章についての十分な復習、および担当者が指示した場合の準備学習が望まれる。

【評価方法】

   ディスカッションへの参加態度や授業貢献度   20

   全2回の提出物                30

   期末成果物                  50

【テキスト】

   毎授業時に事前配布する文献を用いる

【参考文献】

1.安藤史江『組織学習と組織内地図』白桃書房,2001

2.野中郁次郎・竹内弘高『知識創造企業』東洋経済新報社,1995