南山大学

 

【科目コード】97703

【科目名称】技術経営

【担当者】上野 正樹

【単位数】2                    【配当年次】12        【開講期】春学期

 

【授業概要】

日本の製造企業において、技術力の高さと利益率の低さの矛盾が指摘されています。近年では、薄型ディスプレイや携帯電話、半導体などのグローバル競争において、日本企業の弱さが指摘されています。また、ITソフトウエアにおいても、日本企業のプレゼンスが低い状況になっています。さらに、新興国のボリュームゾーン攻略にも遅れをとっているようです。なぜ日本企業は勝てないのでしょうか。この先、自動車や工作機械などの産業でしか勝てないのでしょうか。従来、日本企業の競争力が指摘されてきたこれらの分野でも、中国、台湾、韓国企業の追い上げや新しい動きが始まっています。

こうした問題意識を背景に、製造業やハイテク企業の経営を考えるうえで、テクノロジーマネジメントの視点が重要になっています。この授業では、企業の事例をもとに、ものづくり競争における戦略とマネジメントの理論的フレームワークを学びます。そして、製造企業の問題点から見えてくる日本型経営の問題と解決策についてディスカッションを進めたいと思います。

【到達目標】

1. テクノロジーマネジメントの理論的フレームワークの習得

2. 日本型経営の問題点の共有と実践的な解決策の検討

【授業計画】

1. イントロダクション:MOTの役割と視点(1章)

2. *ガラパゴス化する日本の製造業(1章〜3章)

3. *ガラパゴス化する日本の製造業(4章〜6章)

4. 組織能力の視点(2章)

5. 製品アーキテクチャ(3章)

6. コア技術戦略(4章)

7. プラットフォーム戦略(5章)

8. イノベーションの理論と本質(6章)

9. 組織構造のデザイン(7章)

10. 組織プロセスのマネジメント(8章)

11. プロジェクト知識のマネジメント(9章)

12. 顧客価値創造の事業システム(10章)

13. 事業システムのデザインとマネジメント(11章)

14. 企業間ネットワークとマネジメント(12章)

15. エピローグ:日本型ものづくり企業への提言

【授業時間外の学習(準備学習など)

授業計画の4回目以降、メインテキスト『MOT[技術経営]入門』の各章を、受講者に発表してもらい

ます。発表を担当した受講者は発表準備をする。授業参加者は、ディスカッションへの参加準備(テキストを批判的に読む)をする。発表者は批判に応えるロジックを準備して応戦すること。復習の必要はありません。

【評価方法】

発表とディスカッション60%、最終レポート40

【テキスト】

延岡健太郎(2006)『MOT[技術経営]入門』日本経済新聞社

宮崎智彦(2008)『ガラパゴス化する日本の製造業』東洋経済新報社

 

【参考文献】

伊丹敬之・西野和美(2004)『ケースブック経営戦略の論理』日本経済新聞社

【備考】

発表とディスカッションを中心とします。