南山大学

 

【科目コード】97727

【科目名称】商業と流通

【担当者】湯本 祐司

【単位数】2                    【配当年次】12    【開講期】秋学期

 

【授業概要】

本科目は、商業や流通を体系的に理解するとともに、情報通信技術の発展や市場環境の変化の中で進展している商業構造の変化や、企業の流通戦略の実態を理論的・実証的に検討することを目的とする。具体的には小売商業および卸売商業構造の規定因と変化、製造業者のチャネル・マネジメントとその変化、流通企業の革新行動、電子商取引といった流通をめぐる現代的トピックスを取り上げながら商業・流通の基礎理論を学習するとともに、こうした流通現象を主にミクロ経済学的に分析し理解できることをめざす。

【到達目標】

商業・流通の基礎理論を身につけるとともに、現代の流通現象を主にミクロ経済学的な視点から分析し理解し、現場を見通す眼を養うことをめざす。

【授業計画】

1.          商業とは何か
(1)
商業の介在する流通 (2) 商業者の役割 (3) 商業における品揃え形成

(4) 品揃え形成による流通費用への効果

2.          小売商業の構造
(1)
小売店舗数と流通費用 (2) 消費者行動と商品分類

(3) 日本の小売商業構造の特徴とその変化 (4) 課題のディスカッション

3.          卸売商業の構造
(1)
なぜ卸売業者が介在するのか (2) 望ましい流通段階数とは (3) 日本の多段階流通構造

(4) 日米比較、ディスカッション

4.          現代の流通構造
(1)
物流情報システムによる流通構造への影響 (2) インターネット販売による影響

(3) グループワークのグループ形成

5.          商業における信頼関係
(1)
信頼関係と市場取引 (2) 信頼関係の構築 (3) 商業と信頼関係

(4) 信頼関係形成プロセスの日米比較

6.          商業におけるパワー関係
(1)
商業とパワー関係 (2) パワー関係の形成

(3) チャネルのパワー関係の歴史的変遷と理論的説明

7.          グループワーク課題報告およびディスカッション

8.          生産者による流通系列化とその変化
(1)
流通系列化とは (2) 流通系列化の現実的問題 (3) 事例とディスカッション

9.          生産者によるチャネル・マネジメント−垂直的取引制限の経済学

10.       小売業者による製販統合
(1)
流通の延期化現象 (2) 小売業者主導の延期型システムへの展開

(3) 事例とディスカッション

11.       小売業者によるPB開発
(1)
なぜPBが導入されるか (2) PBが導入される条件 (3) 製販同盟に基づく共同商品開発

(4) PB戦略の経済学 (5) PBの発展段階と戦略課題

 

 

12.       商業における革新、変化する小売業と卸売業
(1)
商業における革新 (2) 小売業態革新の展開とパターン

(3) 生産者に対応した卸売業態の変革 (4) 小売業者に対応した卸売業態の変革

13.       小売業者の革新事例

14.       卸売業者の革新事例

15.       まとめ

【授業時間外の学習(準備学習など)】

   テキスト・配布資料の予習・復習、宿題、ディスカッションの準備、グループワーク

【評価方法】

定期試験(レポート) 40%

提出物 40%

 ホームワークの提出(グループワーク含む)

クラスへの貢献度 20%

 授業中のディスカッションへの発言回数と内容、報告内容

【テキスト】

高島克義『現代商業学』有斐閣、2002

【参考文献】

成生達彦『流通の経済理論』名古屋大学出版会、1995

小川進『稼ぐ仕組み』日本経済新聞社、2003

田村正紀『業態の盛衰』千倉書房、2008