南山大学

 

06751

指定
選必
期間
春学期
単位
2
年次
1〜4
担当者
願興寺 ひろし
他の科目との関連
履修対象学科
副題 日本的人事管理と労使関係の近代化 — ケーススタディー —
授業概要   現代の経済・社会の「勤労者像」や「勤労意識」について講義する。
  日本の混乱期から現代までをいくつかの発展段階に分け、トヨタにおける日本的人事管理と労使関係の発展プロセスを一つのケースとして観察する中で、現 代における雇用労働や職務満足についての一般理論との関わりについて言及し、実務と理論研究の接点を積極的に求める。
また、本講義は、卒業して実業界に入る学生を主な対象としている。実務との接点をより重視する関係上、理論研究面では若干浅くならざるを得ないが、専門理 論教育科目にてその分をカバーされれば、研究者を志向する学生に対しても、将来の研究活動の有用性を高める上で重要な知見を提供できるものと思われる。
学修目標   「勤労意識」の変革にむけた戦略的発想法と、「労働観」を変化させるための人事・労務政策 の定石的展開、さらに政策効果を保証するための労使関係の形成に関する知見を深め、実業界にも通用する政策立案能力を身につける。
併せて、疎外理論、動機付け理論、職務特性理論、職務満足と職務充実、コミットメント理論など、雇用・労働に関する基本的概念について、実務への適用可能 な実戦的理解をめざす。
授業計画 1-2.  序
    オリエンテーション
     人々は「何のために働くのか」 (参考:日本人の労働観の変遷)
    トヨタ生産システムと疎外理論
     改善に終わり無き改善への動機付けシステム
    □人事・労務管理システムの形成と変質
3.    高度成長を支えた年功的人事・労務政策
4.      職能資格制度の導入による年功的管理の高度化
5-6.   失われた?10年(成果主義導入への条件整備)
            ① 「勤労意識」改革への取り組み
            ② 働き方の改革へのチャレンジ
7-8.   日本的成果主義の導入
            ① 制度改革にむけた戦略的アプローチ
            ② 能力(成果)主義の制度的特徴と運用
    □労働組合の機能と労使関係
9.      労使関係の基本的枠組みの形成
         労働組合の理念と労使関係の基本的枠組み
10-12. グループ労連形成の必然性と運動の枠組み
            ① トヨタ生産システムの展開〜オイルショック
                産業空洞化回避
            ② 「成果主義」導入への潮流への対応
            ③ グループレベルでの「組合規制」の実践
13-15. 総括
           成果主義人事・労務政策の深化
            ① ダイバーシティーと「新三種の神器」
            ② 制度の適正運用に向けた取り組み
            ③ 「日本的」成果主義人事・労務政策の洗練
授業時間外の学習(準備学習など) 授業計画に応じて、事前に配布する資料および参考文献にて予習しておくこと。
評価方法 定期試験100%にて評価する。
参考資料
「トヨタ労使マネジメントの輸出」願興寺ひろし著 2005年 ミネルヴァ書房 ISBN4- 623-04271-5
その他、適宜レジメ等を配布する。
その他 この科目は、次の JABEE 対応コース「情報技術専修コース」の学習・教育目標に対応する(小項目:A-3)。